(第3学期始業式に話した内容です。)
あけましておめでとうございます。
終業式でもお話ししましたが、古来「一年の計は元旦にあり」と言います。この言葉の由来になったのは、中国の明(みん)の時代に憑慶京(ひょうおうきょう)という学者によって書かれた「月令広義(げつりょうこうぎ)」という、年中行事やしきたりを解説した書物の中からとったものだといわれています。その中に「一日(いちじつ)の計は晨(あした)にあり、一年の計は春にあり、一生の計は勤(つとめ)にあり、一家の計は身(み)にあり」という一文があります。晨(あした)というのは朝を示し、春というのは正月を示します。ですから、この一文は「一日の計画は朝に、一年の計画は正月に立てなさい。一生の計画は仕事をまじめにすることで決まり、一家の将来は主(あるじ)の生き方で決まる」という意味になります。「一日の計」「一年の計」「一生の計」「一家の計」を合わせて「四計(しけい)」と呼び、古来良き人生の設計に欠かせない大切な計画だとされています。このように、人は目標を立てて実行していくという小さなことの積み重ねにより、大きなことを成し遂げることができるのです。
これらのことを校訓になぞらえれば、「履正不畏」目標を立て「しっかり、まっすぐ。」、「勤労愛好」その実行の小さな積み重ね「しっかり、コツコツ。」、「報本反始」成し遂げられた時には周囲に感謝を「しっかり、笑顔で。」ということになると思います。
年始にあたって、まず、将来自分自身がこうありたいという大きな目標を確認してほしです。それは進学したい学校であったり、就きたい職業であったり、一生追求したい自分なりのテーマであったりと、何でも構いません。次に、その大きな目標を達成するには、これからの一年、一学期、一か月、一週間、一日、一時間をどのように過ごすべきかを考え欲しいのです。そうすることで、今日から始まる学校生活が、より充実したものになるはずです。
今年の干支(えと)は蛇(へび)です。蛇にはたくましい生命力があり、脱皮を繰り返すことから再生のシンボルとされています。皆さんには、焦らず粘り強く取り組み、自分のペースを乱すことなく、着実に前進していってほしいと願っています。
2025年1月8日 中学校長 江川昭夫