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校長ブログ / 中学校

2026.03 UPDATE

【中学校長ブログ】第30回卒業式校長式辞から「不完全だから前に進める」

 (イチロー殿堂入り表彰式時のスピーチのイメージを江川がAIによって作成しました。)

 本日、履正社中学校を卒業する39期110名の皆さん、ご卒業、誠におめでとうございます。

 また、この晴れの日を心待ちにしてこられたご両親をはじめ、ご家族の皆様方には、教職員一同心からお祝いを申し上げますとともに、これまでの厚いご支援に対し、心より御礼申し上げます。

 卒業生の皆さん、今日の良き日を迎え、この3年間の学校生活を振り返ると、喜びや楽しみ、悲しみや苦しみなど、様々な感情が入り混じる特別な時間だったことと思います。中学校時代は、心身ともに大きく変化する思春期にあたり、身体の急激な成長と心の変化が同時に起こり、不安定になりやすい時期です。この3年間、皆さんも、時には友人や先生、両親や兄弟姉妹と対立し、感情をぶつけ合ったことがあるはずです。

 自分が思っていることをぶつけ、それに応じてくれる人がいて、最終的に互いを高め合えるという環境は、とても貴重なものです。大人になると、うまく生きる、そつなくこなす、ということが優先されるようになり、自らの感情を出す場面は減る傾向があります。

 これから、進学し、社会の担い手になる皆さんに、私から、昨年日本人初となるアメリカ野球殿堂入りを果たしたイチローさんの記者会見の際に語った言葉を贈りたいと思います。毎年、記者による投票で75 %以上を獲得した人が殿堂入りとなるのですが、イチローさんは満票に1票足りない99.7%で殿堂入りが決まりました。

 それに対して、彼は、「1票足りないというのはすごく良かった、生きていく上で不完全だからこそ前に進もうと思える」と語りました

 皆さんは、今までの経験から、自分には他者より優れている面がある一方で、劣っている面もあることに気づいているはずです。時には、劣等感を抱え悩み苦しむこともあったことでしょう。

 私は、皆さんに、校訓三綱領(こうりょう)のひとつ「履生不畏(りせいふい)」を「しっかり、まっすぐ。」と伝えています。 皆さんの中には、そのように努めたいと思っていても、向き合えない時もあるはずです。実は、この自分自身の「もやもや」というか、不完全さを認識するという経験はとても大切なことです。

 人は「もう完全だ」と思った時点で、歩みを止めてしまうものです。逆に「まだ完全じゃない」「もやもやしている」と意識することこそが推進力を生むのです。この3年間、皆さんが感情の浮き沈みの中で必死に自分と向き合った経験は、今後の人生の糧となるはずです。皆さんには自信を持ってこれからの人生を力強く歩んでほしいと願います。

 最後に、卒業生の皆さんに、改めて心からお祝いを申し上げるとともに、今後のご活躍と末永いご多幸を祈念して、私からの式辞といたします。

2026年3月14日(第30回卒業式校長式辞の内容です。)                      

中学校長 江川昭夫

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