皆さん、おはようございます。
私は学校生活の中で学習を通じて、
仲間との交流の中で人間性を育むという観点から、「行事が人をつくる」と考えています。
今日の行事は、芸術鑑賞会でテーマは、「Fiesta~灼熱のレディス・サルサ~」で、
公演いただくのは女性だけのサルサバンド SON REINAS (ソン・レイナス)の方々です。
サルサダンスは、ラテン音楽のリズムに合わせて踊るダンスの一種です。キューバが発祥の地とされていますが、現在では世界中で愛される人気のダンスです。
どんな時代も、どんな民族も、人類はみな踊ります。
音楽に合わせ踊るのは、人間らしさの原点であり、言語や文化の出発点でもあると言われています。
近年の研究で、そのカギとなるのは脳内の「ミラーミューロン」だということが判明しました。
「ミラーニューロン」は直訳すると「鏡の神経細胞」です。
我々人間は、他人の動作を見ると、まるで鏡に映したように、自分の脳も同じ反応を示します。
映画を見て主人公と一緒にドキドキする、赤ちゃんが親の表情を真似する、スポーツ観戦で思わず身体が動いてしまう、これも全部、「ミラーニューロン」が共感を生み出しているからです。
古代、まだ言葉がないころ、牙も爪もない弱い動物である我々人類は「踊り」によって脳内の「ミラーニューロン」を活性化させ、仲間と同調し共鳴することにより、危機や恐怖を乗り越え、世界へと広がっていきました。
踊りの際に、人と同じような声を出す「声まね」がその後「言葉」になったそうです。
まさに、踊りは人間の社会性の原点だと言えます。
今日の芸術鑑賞会では、皆さんの「ミラーニューロン」を活性化させ、身体と心を大きく動かしてください。
この会場にいる全員が心を一つにして、学年やクラスの壁を越えて、楽しい時間を過ごすことができればうれしく思います。
2025年11月6日(芸術鑑賞会:豊中文化芸術センタ― 午前公演 校長挨拶の内容です。)
中学校長 江川昭夫
