FREETING

校長ブログ

2024.03 UPDATE

卒業式を行いました

3月9日(土)10時より、総合体育館で、第73回卒業式を行いました。まず、国歌・校歌斉唱を行い、続いて卒業証書と表彰状(皆勤賞、履正社高校賞、履正高鳴賞、外部表彰)をそれぞれの代表の生徒さんにお渡ししました。
私が式辞を読ませていただきました。長くなりますが、掲載させていただきます。

 弥生3月に入り、桃の花もほころぶ、穏やかな季節となりました。
 保護者の皆様、お子さまの晴れのご卒業、おめでとうございます。高校時代は、長い人生のうちでも、 心も体も大きく成長すると同時に、多感で不安定な時期とも言われています。しかし、保護者の皆様が 熱心に育み、導いてこられた甲斐が実り、お子さまは、とても頼もしい若人に成長いたしました。皆様方の本日のお喜びは、ひとしおのものがあろうかと拝察し、心からお祝い申し上げます。
 313名の卒業生の皆さん、改めて卒業おめでとうございます。今日、この日を迎え、卒業生の皆さんは今、どのような思いが胸に去来していますか。おそらく、在学中の印象深い場面が、一人ひとりの脳裏に甦ってくることでしょう。それらすべてが「経験」という名の財産であり、かけがえのない貴重なものとして、皆さんのこれからを確かに支えてくれるはずです。この3年間、コロナ禍にあって、様々な活動に、制限が掛けられました。そんな状況でも、現実をしっかりと受け止め、力強く歩もうとする皆さんの姿が、随所に見られました。安易に妥協することを良しとせず、懸命に自らの可能性に挑戦する姿は、輝いていました。皆さんが手にした卒業証書には、一人ひとりのたゆまぬ努力があったことは、もちろんのことですが、深い愛情をもって見守ってくださったご家族をはじめ、時には厳しく、時には熱く、そして優しく接してくださった先生方、そしてともに喜び、ともに涙した仲間、その他多くの人たちの励ましや支えがあったことを思い起こしてください。
 皆さんが進むこれからの社会は、変化の著しいものとなるでしょう。「十年一昔」では到底済まない、一年一年そのものが変わり続け、激しい変革に戸惑うことも多いと思われます。そんな時、本校で培った力を存分に発揮し、焦らず、慌てず、挫けずに、地に足の着いた実践を心掛けてください。本校で確実に学びを重ね、成長を遂げた経験者である皆さんは、新しい変動社会が求める人材であり、これからの社会を生き抜く実践者となってくれることと信じています。時代を担うリーダーとなる、皆さんの活躍に大きな期待をしつつ、餞の言葉を贈ります。
私たちの社会は今、物事を省みるときに人が成し遂げたことを素直に肯定することよりも、できなかったこと、足りなかったことを指摘することばかりに重きを置くようになっていると感じます。確かに、進歩、発展、成長といった概念においては、その姿勢が必要な場面があることも事実です。けれども、一人ひとりの日々の営みというレベルで物事を見るとき、失敗も後悔もせず成果を出せる人などいるはずもないのに、ようやくたどり着いた成果が脇に置かれ、途中の失敗にばかり焦点が当てられてしまうのはとても悲しいことです。
人は、がんばったこと、誠実に生きたことに対して、もっと肯定され、もっと受け入れられていいのです。途中にあった失敗も後悔も、ぜんぶまとめて受け入れられていいのです。そしてもちろん、受け入れてもいいのです。
 この3年間、私は、折に触れ、アニメや漫画の話をしてきました。うんざりしている人もいるかもしれませんが、卒業式でも、漫画の話をさせてください。昭和の時代、赤塚不二夫という漫画家がいました。「おそ松くん」、「ひみつのアッコちゃん」、「もーれつア太郎」といった数々のヒット作を生み出しました。その赤塚さんの代表作が「天才バカボン」です。当時も今も「ギャグ漫画」という位置づけの作品ですが、個性的な登場人物たちの語る言葉が、作品が発表された1967年から50年以上の時を超えて、現代を生きる私たちに温かな示唆を与えてくれます。 作品の中で「バカボンのパパ」は、こう語ります。
 「わしは、バカボンのパパなのだ
  この世は、むずかしいのだ
  わしの思うようには、ならないのだ
  でも、わしは、大丈夫なのだ
  わしは、いつでもわしなので、大丈夫なのだ
  あなたも、あなたで、それでいいのだ」
 赤塚さんと親交のあったタレントのタモリさんは、バカボンのパパを通して語られる赤塚さんの思想についてこう述べました。
 「赤塚不二夫の考えは、すべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は、重苦しい意味の世界から解放され、軽やかになり、また時間は、前後関係を絶ちはなたれて、その時その場が異様に明るく感じられます。この考えを赤塚不二夫は見事にひとことで言い表しています。すなわち、『これでいいのだ』と。」
 高校卒業後の皆さんの人生は、これまで同様、決して平坦な道ばかりではないでしょう。その道のりを歩いていく皆さんには、自らをあるがままに前向きに肯定し、受け入れる心、すなわち自分を愛する心をどうか大切にしてほしいと願っています。その自分を愛する心こそが、他人を愛し、世界を愛する心につながっていくのです。
 どうかしなやかに、そして強かに生きてください。そのような生き方の向こう側には、必ずやあなたのことを認め、温かく見守り、寄り添ってくれる人との出会いがあります。
 そして出会った相手に対する気持ちを大切にしてください。人との出会いが将来、自分にとって大きなものになるかどうかは、出会った人に対して、やさしい気持ちを尽くすることから始まるのではないかと思います。自分のことば、自分の行動を「やさしさ」という観点で振り返る習慣をつけたら、次は、きっと優しいことばが口からでてきて、取るべき行動もやさしくなります。そしてそれは、必ず豊かな人間関係につながります。 
 保護者の皆様、立派に成長されましたお子さまのご卒業、改めて心からお祝い申し上げます。お預かりしておりました大切な大切なお子さまを、本日無事、お返しすることができ、教職員一同、これに勝る喜びは、ございません。この間、本校の教育活動に多大なご支援、ご協力、ご理解を賜り、誠にありがとうございました。
卒業生の皆さん、健康に留意され、それぞれの新たな目標に向かって精進、努力され、その精進、努力が花を咲かせ、実を結ぶことを、心から願っています。私たちも、皆さんに「履正社高校出身です」 と誇りを持って言ってもらえるよう、取り組んでいきますので、履正社高校のことを、いつまでも見守っていてください。かくて卒業生の皆さんの前途が洋々たるものとなり、幸多かれと祈念して、私の餞の言葉といたします。

 続いて、理事長のご挨拶、ご来賓の紹介のあと、在校生送辞、卒業生答辞、卒業記念品贈呈を行い、最後に「仰げば尊し」を斉唱して、終了いたしました。卒業生が退場する際には、生徒会長の司会進行で、保護者席の前に一列に広がり、「ありがとうございました」と一礼しました。終了後、卒業生は、各教室で、最後のHRを行いました。生徒会の皆さんが作成してくれた動画も放映いたしました。アーチを作ったり、廊下や食堂前にも、飾りつけをしてくれました。素晴らしい演出でした。ありがとうございました。

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