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校長ブログ / 高等学校

2025.05 UPDATE

【高校校長ブログ】ニュースポーツ大会開催

 こんにちは、篠岡です。突然ですが、学校での運動系行事といえば、体育祭、球技大会が一般的ですよね。もちろん本校でもアスエアリーナ大阪や服部緑地競技場に場所を移して、例年盛大に開催されます。しかし、ご存じの通り本校には全国トップクラスの運動系強化クラブが多数存在しますから、どうしても競技コース生徒の独擅場となってしまう感は否めません(もちろん学藝コースの生徒にも陽が当たるような工夫もしていますが…)。そんな中、4年前から実施しているのが本校独自の「ニュースポーツ大会」なのです。これは簡単に説明すると、いわゆる「ユニバーサルスポーツ」と呼ばれる競技から3種目選び出し、競技コース・学藝コース関係なく、年齢・性差や運動能力もほぼ影響せず、中学生も交えて本校全生徒約2000名が同じ土俵で競い合う大会です。いや、「勝ち負けを競い合う」というのは少し当たりませんね。実際はスポーツを通じて「全校生徒が親交を深める」という目的の大会なのです。ゆえにいろいろな意味を込めて「ニュースポーツ」と名づけました。とは言っても、女子中学生が高校野球部生に勝って大喜びする、なんていう場面が起きるのもこの大会ならではですけどね…。

 「ユニバーサルスポーツ」とは、国籍・年齢・性別・障がいの有無に関わらず皆が一緒に楽しめるスポーツのことで、「パラスポーツ」と呼ばれたりもします。具体的には①ルールに柔軟性があり様々な人が参加できる、②誰にでも勝つチャンスがある、③ルールがシンプルで誰にでも理解できる、④身体的負担が少なく安全性が確保されている、などの特徴をもっています。ちなみに下の「ボッチャ」はバラリンピック正式種目にも採用されています。

 それでは実際に本校で行われる種目を紹介してみます。

 左から「モルック」「ボッチャ」「スポーツスタッキング」で、この3種が採用されています。「モルック」は木の棒を投げて数字のついた12本の棒を倒した時の得点を合算して、計50点に到達することを目指して競います。イメージはボウリングとダーツの親戚ですかね。「ボッチャ」は的となるボールに向かって砂の入ったボールを数回ずつ投げ、誰が最も近づくかを競います。カーリングに少し似ているかもしれません。「スポーツスタッキング」は他に類似競技のない独特なもので、12個のプラスチックカップを決められた形・手順で積んだり崩したりしてそのスピードを競います。

 このように、中高全生徒が一堂に会し、互いに交流する機会はそれほど多くなく、「ニュースポーツ大会」は本校で欠かすことのできない行事の一つとなっています。そもそも「ユニバーサルスポーツ」は、SDGsの時代、共生社会の実現への寄与を期待されているスポーツです。生徒たちも今日1日、日常を少し忘れて、和気藹々と笑顔いっぱいで汗を流し、他クラス・他学年との異世代交流を楽しみつつ、多様性を認め合い相互理解することの大切さの一端を感じてくれれば喜ばしい限りです。

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