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校長ブログ / 中学校

2025.04 UPDATE

「自分なりの正しさ」とは

(入学式に話した内容です。)

 春の息吹が感じられる今日、ここに学校法人履正社・履正社中学校の第41回入学式を挙行できますことは大きな喜びであります。

 さて、新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。今日から皆さんは履正社中学校の一員となりました。私たち教職員と在校生達は皆さんの入学を心待ちにしていました。
全国には本校のように「社(しゃ)」という文字が学校名に入る学校がいくつかあります。「社」というのは、共通の目的のもとに集まった集団を意味するそうです。つまり、履正社はその建学の精神である「履正不畏」(りせいふい)という理想を実現しようとする人々の集まりということになります。「履正不畏」という言葉は、「自ら正しいと信ずることを、何ものも畏れず正々堂々と実践する」ことを意味します。

 「何ものも畏れず正々堂々と」というところは「しっかり、まっすぐ。」と言えると思います。

 さて、皆さん、もうひとつ考えてみたいことがあります。
「正しさ」とは一体何なのでしょうか?日頃から私たちは「それは正しい」「それは間違っている」などと無意識に発言していますが、「正しい」という言葉の意味について、深く考える機会は少ないと思います。
「正しい」という言葉にはいくつか意味があります。「履正不畏」における正しさとは、道徳的な正しさ、あるいは何らかの目的を達成するための正しさです。

 しかし、どんなことに関しても、絶対的に正しいことなど存在しないと思います。
例えば、現在、研究が進められている車の自動運転プログラムを作成する現場での話です。子どもが不意に飛び出してきた時に、避けるためにハンドルを切った瞬間、別の人に当たってしまうということが考えられます。どうするのが正しいのかということが議論されていると聞いています。なかなか難しい議論だとは思いますが、結局、今自分が正しいと思う道を選択し進みつつも、常に「本当にそれでいいのか」と考え続けることが大切なのだと思います。

 皆さんにはこれから履正社中学校で過ごす3年間において、多くの人と関わり、多くのことを学び、「自分なりの正しさ」とは何かを考え続けてほしいと願います。

 最後に、本日晴れて入学式を迎えられました履正社中学校41期生の皆さんのこれからの大いなる飛躍を心から期待して、式辞といたします。

2025年4月7日                       中学校長 江川昭夫

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