夢を実現するためには、明確な目標設定が重要です。具体的で達成可能な目標を立てることで、進むべき方向が明確になります。そして、計画を立て問題を解決するために、積極的に「知識と情報」を得ることが必要です。
情熱を持って知識や情報を追求することが、個人の成長を促し、その人の可能性は大きく広がります。そして、個人の成長は長い時間の中で、結果的に社会全体に還元され、好循環が生まれるのです。
アメリカのニューヨーク公立図書館は、この好循環を生み出す重要な場所として知られています。ここは「知の殿堂」と呼ばれ、アメリカンドリームを実現するための支えとなっています。アメリカンドリームとは、出身や社会的地位に関係なく、自らの努力で成功を手に入れることができるという理想です。
ニューヨーク公立図書館では、書籍や芸術作品など、さまざまな文化遺産を収集・保存しています。例えば、アーカイブされたばバレエの映像に感動した市井の男性が、後に名門バレエ団の振付師になるという感動的なエピソードもあります。このように、同館は人々の知的好奇心を刺激し、夢を育む場として機能しています。
また、利用者には就職活動の支援や起業サポート、子どもの学習支援、市民への語学教育など、多様なサービスが提供されています。ビジネス専門の司書が、起業希望者に対してアドバイスを行い、面接対策や履歴書作成の手助けもしています。さらに、投資や健康、家庭問題に関するセミナーも開催されています。
このように、ニューヨーク公立図書館は、知識と情報の平等な共有を通じて、社会全体の活性化に寄与しているのです。同館の運営は民間のNPO法人が担い、ニューヨーク市の税金と利用者からの寄付で支えられています。中には、同館で得た知識や情報を活かして成功を収めた人々が、その「お返し」として多額の寄付を行っているケースもあります。例えば、出版社の創設者ディウィット・ウォーレスや、1500万ドルを寄付したローズ夫人などが有名です。
同館の歴史は19世紀にさかのぼります。当時、ニューヨークは国際都市としての地位を確立しようとしており、文化施設が次々と作られました。20世紀には、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの寄付により大きく発展しました。カーネギー自身も図書館を活用して成功を収めた人物だったため、知識の獲得の重要性を強く信じていました。
日本においても、ニューヨーク公立図書館の取り組みは参考になるはずです。地域密着型のサービスを提供しつつ、図書館の役割を再定義することが求められています。図書館は単なる書籍の保管場所ではなく、地域社会の知識の集積地として機能すべきです。
現代では、図書館の役割はデジタルリソースの提供にも広がっています。ニューヨーク公立図書館はその先駆者であり、地理的制約を超えて全世界の人々に平等なアクセスを提供しています。こうした知識の平等な共有は、夢の実現に向けた大きな力となります。
皆さんもぜひ図書館を積極的に利用し、自らの可能性を広げて、夢を実現する一歩を踏み出してください。知識は力であり、その力を使うことで未来を大きく変えることができるのです。
◆
履正社では、2026年春に淀川区十三駅前に新しい図書館を建設中です。規模は小さいですが、地域の人々にとって健康やスポーツに関する知識の宝庫となり、夢の実現に寄与することが期待されています。この新しい図書館が、新たな学びの場となることを心から願っています。ご期待ください。
参考資料
●「未来をつくる図書館-ニューヨークからの報告−」菅谷明子著 岩波新書発行
●図書館が就職や起業もサポート! 映画になった「ニューヨーク公共図書館」の取材で見えた日米の違い|好書好日 (asahi.com)
●ドキュメンタリー映画「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」