(第2学期終業式に話した内容です。)
皆さん、こんにちは。校長の江川です。2024年もあとわずかになりました。皆さんにとって今年はどのような年だったでしょうか。
世界に目を向けると、2024年は戦争が目立った年でした。ウクライナ、パレスチナ、シリアなどにおいて今も戦争が続いていて、日々多くの死傷者が出ています。戦争が起きる原因は、宗教の違いや土地や資源の奪い合いなどによって生まれる互いを憎しみ合う感情です。戦争を続ければ続けるほど憎しみの感情は大きくなり、解決の糸口を見つけるのは難しくなるばかりです。
そのような中、先日、日本原水爆被害者団体協議会、通称日本被団協がノーベル平和賞を受賞しました。世界で核戦争の脅威が目前に迫っている今、世界で唯一の被爆国である日本は、世界に向けてメッセージを発する必要があるのです。ノーベル平和賞の受賞式おいて、田中熙巳(てるみ)さん(92歳)は、「人類が核兵器で自滅することのないように、核兵器も戦争もない世界の人間社会を求めて共に頑張りましょう」と力強く訴えました。
さて皆さん、このような世界の動きと日々の学校生活とはあまり関係がないように思えるかも知れません。しかし、それは違います。皆さんはこの日本、そして世界の次なる担い手となるべく、日々学び経験を積んでいるのです。
この年の瀬に、皆さんには、自分は将来どのように生き、どのように社会に貢献したいのかを考えてみてほしいと思います。年末年始に家族や親戚と話をすると、その端々にそのヒントがあるはずです。古来、「一年の計は元旦にあり」と言います。年明けには皆さんがそれぞれの志(こころざし)を持って再び学校に集うことを期待しています。皆さん、どうか、良いお年をお迎えください。
2024年12月20日 中学校長 江川昭夫