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理事長だより

2022.05 UPDATE

「Vol.39 18歳新成人」

 本年4月1日、日本国の成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。4月以降、18歳以上の人はすでに新成人ですね。おめでとう。どんな気分ですか?
 今回の改正は明治9年(1876)以来、約140年ぶりだそうです。
 世界の成人年齢を見ると、主流は18歳。OECD(経済協力開発機構)加盟国のアメリカ、カナダ、イギリス、イスラエル、チリ、トルコなど38カ国中32カ国が18歳です。日本も、自己責任や自己決定を尊重する境目を18歳にするという、世界の流れに合わせたということでしょう。私見では、寿命が延びて100歳時代と言われ、精神年齢が昔より平均的に幼くなっていると言われる現代においては、引き下げるよりは、むしろ引き上げるべきかなと感じますが、そんなに単純なことではないようです。

 では、18歳で成人になると何が変わるのか。政府広報オンラインによると「一人で契約をすることができる年齢」及び「父母の親権に服さなくなる年齢」という意味があると書かれています。同意を得なくても携帯電話の契約、ローンを組むことができ、クレジットカードへの入会、一人暮らしの部屋が借りられます。もちろん結婚もできます(女子は従来の16歳から18歳に引き上げられました)。そのほか、公認会計士、司法書士、医師、薬剤師などの国家資格を取ることもできるそうです。
 一方で、飲酒や喫煙、競馬などの公共ギャンブル、そして養子を迎えることなどは今まで同様、20歳になるまではできません。18歳だと大学受験の時期に重なるので、多くの自治体では成人式を20歳の人を対象にすると発表しています。
 大人の仲間入りを連想させる飲酒などはあと2年先になるので、何だか今ひとつ実感がわかないかもしれませんね。

 NHKによる1034名の18歳と19歳の若者から回答を得たアンケートをみても「楽しみ」「どちらかと言えば楽しみ」という回答が37%。「不安」「どちらかと言えば不安」が47%。「わからない」が16%とありました。
 さらに「成人になることについて不安に思うこと」を複数回答で聞いたところ「実感がない」が48%、「マルチ商法などに関するトラブル」34%、「クレジットカードなどでの高額な買い物」が27%という結果が続きます。

 「実感がない」「不安だ」というのは本音だと思います。人生として考えれば、18歳は単なる通過点です。でも不安がある一方で、保護者の元から巣立ち、自分の意志でいろんなことができるようになる。成人としての自覚と責任をもって、自立した考えで生きること。新成人通過を機に、一度立ち止まって「権利と責任」について考えてほしいものです。

 さて、私が常々思うのは、10代や20代の青春時代にこそ、その人物の基礎や骨格をかたち作るという事です。青春時代を過ごしたいろんな経験から形成した倫理観や価値観が、みなさんのベースです。青春時代に得たこの「直感」を大切にし、さらに磨きをかけていってもらいたい。恐らくそれは、きっとみなさんの「ライフワーク」になるに違いありません。

 本当を言うと、私も随分と前に新成人になったときは実感がわかなかった一人なのです…。でもその時に、今の自分の心境にもう少し近づけていたら良かったなと、年齢を重ねた今想っています。

※参考:NHK NEWS WEB
※海外の成人年齢について、アメリカとカナダは州によって異なります。

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