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理事長だより

2024.07 UPDATE

「Vol.65 がんばれ!濱西選手!」

 7月24日からパリオリンピック・パラリンピックが始まりました。前回の東京五輪は2021年でしたから、あれから3年。月日が経つのを本当に早く感じます。
 パリ五輪には、履正社高校の卒業生濱西諒選手が競歩5000メートルに出場します。東京五輪では野球で山田哲人選手、サッカーで林大地選手が日本代表として出場しました。卒業生たちの雄姿を見ることは常にとても嬉しく、誇らしく思います。

 濱西諒選手は2019年3月に卒業し、明治大学へ進学。国体やインカレで活躍した後、現在はスーパーマーケットのサンベルクス陸上部に所属しています。
 今年5月に行われた選考会では、2位の選手と100m以上の差をつけ、スタートから終始トップを保ちながらのゴールで、実に3年7ヵ月ぶりの日本新記録(18分16秒97)を樹立して、堂々の日本代表決定でした。インタビューで「内定も発表されて実感もかなり出てきたので、タイム的にはメダルも狙える位置にいると思うので、メダル獲得っていう所を一番に考えています」と意気込みを語っていました。

 高校時代の濱西選手はどんな選手だったのか。指導にあたった陸上部の濱﨑監督によると、陸上部に入部した当初は、目立った記録を持っていたわけではなかったそうです。そこで競技人口が比較的少ない「競歩やってみたらどうや」と声をかけたところ、才能が開花。高校3年生のときには福井しあわせ元気国体でみごと優勝しました。その後はトップアスリートとして競歩選手を続け、そして今般のパリ五輪出場に至りました。これまでの道のりは相当の努力があったものと思われます。

 実は正直なところ、「競歩ってどんなルール?」。私には全く知識がありません。そこでTVで濱西選手を応援するためにちょっと調べてみました。

 競歩は陸上の中でも「最も過酷な競技」と言われ、多くの大会で約1割の選手がゴールできないそうです。2015年の世界陸上北京大会では、男子50キロ競歩でなんと約3割の選手がゴールできなかったというからその過酷さが伝わってきます。

 種目には5000メートルなどのトラック競技と、50キロなどのロード競技があります。日本陸上競技連盟のHPによると「競歩は走るのではなく、歩く速さを競う競技」とあり、ルールが厳しく定められています。

 どちらかの足が常に地面についていなければ「ロス・オブ・コンタクト」という反則とみなされます。また、前の脚が地面に着いた瞬間から垂直、まっすぐでなければならない。 ひざが曲がっていれば「ベント・ニー」という反則となります。つまり、両足が地面から離れてしまったり、脚がまっすぐになっていないのに膝を曲げてしまうと、「走っている」とみなされてしまうのです。

 この厳しいルールを監視する審判が1試合あたりトラックなら6人、ロードなら9名います。サッカーのように違反が疑われる場合は注意のイエローパドルという円形の札が出され、明確に違反していると審判が判断した場合は赤いカードが出されます。赤いカードが3枚になると失格となり、そこで終了です。

 さらに、無事ゴールできたとしても審判による判定が待っています。競技中の様子と合わせて最終の判定結果が決まるので、1位でゴールしても決して気が抜けないということを知りました。なかなか奥が深い競歩。濱西選手の健闘を願って、みんなで応援しようではありませんか!

【追記】 今回の五輪がフランス・パリで開催されるにあたり、パリ市の紋章について紹介しましょう。16世紀からあるこの紋章には帆を広げた船が描かれていて、その下に「たゆたえども沈まず(Fluctuat nec mergitur)」とラテン語で書かれています。「どんなに強い風が吹いても、揺れるが沈みはしない」という意味で、お互いを信じあって、この荒波を乗り切ろうという船乗りたちの合言葉だそうです。どんな人にもいい時もあればつらい時もある。でも決して沈みはしない。そう思うことで乗り切れる。「たゆたえども沈まず」。勇気がでる言葉、ちょっと気持ちがつらくなったとき、おまじないのような言葉ではないでしょうか。

参考資料


TBS NEWS DIG 男子5000m競歩で日本新記録!パリ五輪代表・濱西諒が18分16秒97をマーク「出た瞬間はめちゃくちゃうれしかった」

陸上競技Webメディア「月陸Online」パリ五輪20km競歩代表に池田向希、濱西諒、古賀友太! 女子は藤井菜々子と岡田久美子 男女混合はWエントリーの岡田に川野将虎、高橋和生、柳井綾音が選出

読売新聞オンライン 競歩…「最も過酷な陸上競技」、ルーツに諸説あり

四国新聞社 SHIKOKU NEWS 福井しあわせ元気国体 第10日/陸上 木村(四電工)悔し6位 成年男子400

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