今日は、3学期始業式を行いました。私の挨拶は、Zoomを用いて、各教室に映像付きで、配信しました。長文ですが、掲載させていただきます。
皆さん、おはようございます。そして、新年明けましておめでとうございます。12月25日の2学期終業式でお話ししてから、まだ2週間しか経っていませんが、その間に、2021年から2022年に年が改まりました。短い期間でしたが、皆さんは、どう過ごしましたか。そして何を思いましたか。学校の活動でいえば、補習や講習に参加した人、部活動の練習、試合やコンクールに臨んだ人など、多くの活動をしてくれました。家庭でも、充実した時間を過ごしてくれたことと思います。
「1年の計は元旦にあり」といいます。平凡な生活の繰り返しにけじめをつけることは、人間の素晴らしい英知だと思います。正月の意義は、新しい年になった機会に気持ちを一新して、その年の決意をし、意欲を充実させることにあります。
今日は、まずお知らせがあります。
昨年の6月から、緊急時対応のため、スマートフォンの所持及び使用を認めてきました。あれから約半年が過ぎましたが、皆さんは、キチンとルールを守って、正しく使用してくれていると思います。ありがとうございます。この間、私たちは、生徒会役員の皆さんとも話し合いながら、使用方法のあり方について、検討してきました。そして今回、利便性を高めるため、今日から一部ルールを改訂します。詳しくは、後ほど配付するプリントを見てください。 ポイントは、3点あります。
1点目は、電源管理。緊急時に備え、登校時は、学校に到着するまで、例えば、家を出るときに電源を入れておいても構いません。正門を入るまでに、必ず電源を切ってください。下校時は、正門を出てから電源を入れても構いません。「今から帰るよ」と、保護者に連絡するなど、有用に使用してください。ただ、正門付近が混雑しないよう、使用は、最小限にしましょう。自転車通学の人は、駐輪場で、電源管理を行い、保護者に連絡するなど、してください。
2点目は、校内での使用。校内では、必ず電源は、OFF。これは、今まで通りですが、始業から終業までの間で、保護者に連絡を取りたいときは、学年の担任または副担任の先生に許可をもらい、1階の職員室付近で、使用してください。無許可使用や鳴動は、指導の対象となります。
3点目は、校外での使用。これは、一般社会のルールやマナーに従ってください。例えば、歩きながらや自転車に乗りながらの使用は、厳禁です。登下校時に通学路や電車内で使用するときは、他の人に迷惑をかけないよう、マナーを遵守して使用してください。マナーの基本は、自分と他の人への気づきと思いやりです。状況を正しく判断し、適切に対応しましょう。皆さんなら、きっとできると信じています。
さて、2学期の終業式で、秋アニメでの私の一番のお気に入りは、山口つばさ先生の「ブルーピリオド」だと、お話ししました。
主人公の矢口八虎(やぐち やとら)くんは、学校では常にトップクラスの成績ながら、友人たちと朝まで渋谷で遊び歩くなど、何でもそつなくこなすことができる高校3年生。でもそれゆえ、人生における目標を見い出せずにいました。ある日、選択授業の美術の課題「私の好きな風景」で、朝帰りに見た渋谷を、自分が感じた青一色で描いたことをきっかけに、美術の世界に足を踏み入れることに。そして、最難関と言われる東京藝術大学への入学をめざし始めます。八方美人で器用に生きていた彼は、小手先の技術が通用しない、努力と才能の世界で、時にはうまく描けない悔しさに泣き、時には絵を描くことそのものの楽しさに触れながら、仲間や先生と交流し、成長していきます。
最後に、「ブルーピリオド」コミック第1巻 2筆目「有意義な時間」から、八虎くんと美術の佐伯先生との会話を紹介します。保護者から、突然の美大受験に反対された八虎くんが、佐伯先生に尋ねます。
「絵って、趣味じゃだめですか。食べていける保証がないなら、美大にいくメリットって何ですか?」
「『好きなことは、趣味でいい』これは、大人の発想だと思いますよ。誰に教わったのか知りませんが、頑張れ ない子は、好きなことがない子でしたよ。」
「好きなことに人生の一番大きなウエイトを置くのって普通のことじゃないでしょうか?正直、今揺らいでて、でも確信が持てなくて、美大って、俺、入れると思います?」
「わかりません! でも好きなことをする努力家はね、最強なんですよ!」
八虎くんは、ものすごい努力家です。「ブルーピリオド」は、美術に青春を燃やす「スポ根漫画」と呼ばれています。アニメの第1期は、八虎くんが、東京藝術大学美術学部絵画科に、現役合格したところで終わります。私は、大学での葛藤と成長を描くであろう第2期を、今から楽しみにしています。
皆さんの好きなことは、何ですか。努力していることは、何ですか。好きなことがまだ見つかっていない人、履正社高校で一緒に探して、いつか最強の努力家になりましょう。
この1年が、皆さん、そして我々教職員、すべての人にとっていい年であることを期待して、私の挨拶を終わります。みんなで、いい年にしましょう。