BLOG

校長ブログ / 高等学校

2021.12 UPDATE

2学期終業式を行いました

今日は、2学期終業式を行いました。私の挨拶は、Zoomを用いて、各教室に映像付きで、配信しました。長文ですが、掲載させていただきます。

 皆さん、おはようございます。こうして皆さんの前でお話するのは、9月27、28日の体育祭以来ですね。ホントに久しぶりです。
 まず、うれしい報告をいたします。皆さんご承知の通り、サッカー部が、今年度のプリンスリーグ関西において、14勝3分1敗の好成績で優勝しました。それだけでもすごいことなのに、12月10日、12日に行われたプレミアリーグ参入戦で、Jリーグのユースチームに連勝し、来年度、プレミアリーグへの昇格が決定しました。おめでとうございます。11月13日に、皆さんに応援していただいた選手権予選決勝では、阪南大高校に、敗れましたが、その後のプリンスリーグでは、阪南大高校にも雪辱を果たすとともに、参入戦を含めて、破竹の6連勝。お見事でした。プレミアリーグは、高校とJリーグのユースチームが、垣根を越え、年間を通じたリーグ戦を行い、ユース世代の年間王者を決める最高峰のリーグです。全国の強豪との対戦で、さらなる高みをめざしてください。
 さて、先日12月22日は、冬至でした。今年も、私は、冬至にちなんで、カボチャを食べ、ゆず湯に入りました。冬至は、1年で一番、日照時間が短い日です。ということは、冬至を過ぎると、1日1日、日が長くなります。まだしばらくは、かかると思いますが、これから、朝、学校に来るときとか、夕方、学校から帰るときに、「あれ、今日はなんだか、昨日より明るくなっているな。」と、感じることでしょう。私は、寒い中にも、日に日に春の訪れを感じることができる、これからの季節が好きです。さて、ここで問題です。去年も出題したので、2、3年生は、きっと答えられることでしょう。「冬至を過ぎ、日が少しずつ長くなって春の訪れを感じること。あるいは冬至そのもの。」を表す四字熟語は、何でしょうか。もちろん答えは、「一陽来復」ですね。
 話は、変わりますが、私は、将棋が好きで、東京に行ったときは、時間があれば、千駄ヶ谷にある将棋の聖地、日本将棋連盟「東京将棋会館」に巡礼に行きます。そこで、その時の名人が書かれた扇子を買って帰ります。これは、豊島名人の筆で「知恩」と書かれています。履正社高校の校訓の一つ「報本反始」にも通じる言葉ですね。これは、佐藤天彦名人の筆で、「王道」と書かれています。
 「王道」といえば、「幾何学に王道なし」という言葉があります。
   “There is no royal road to geometry.”
 古代エジプトの王様プトレマイオスが、数学者のユークリッドに「幾何学を学ぶのに簡単な方法はないか。」と尋ねた時のユークリッドの答えです。
 このときの「王道」すなわち「royal road」とは、王様が歩きやすいように舗装された「楽な道」という意味です。「幾何学を学ぶのに、そんな楽な道はない。地道に、こつこつ取り組みなさい。」ということでしょう。
 ただ、「王道」には、別の意味もあります。中国戦国時代の思想家、孟子が説いた、儒家の理想とする政治思想で、仁徳に基づく政治という意味です。転じて、今は「正攻法」とか「正しい道」という使い方がされています。佐藤名人は、もちろん、こちらの意味で、将棋の駒の「王将」になぞらえて、書かれたと思います。若き新名人の大いなる自負と覚悟がうかがえる言葉ですね。もっとも、「楽な道」という意味で書かれたとしても、それはそれで面白いと思います。皆さんの学習や部活動においても、「王道」(=royal road)は、ありません。履正社高校生としての大いなる自負と覚悟を持って、地道に、こつこつと正攻法で取り組み、「王道」(=「正しい道」)を歩んでください。そうすれば「一陽来復」。必ず春は、やってきます。
 何とか無事、伏線を回収できたところで、最後に。今年の秋アニメも、終わろうとしています。今回の、私の一番のお気に入りは、「ブルーピリオド」でした。そして私は、今、悩んでいます。今日紹介する、漫画のセリフをどうしようか。「ブルーピリオド」にも紹介したい言葉が、たくさんあります。でも体育祭からの帰り道に、野球部の1年生から、「校長先生、次の名言は、ぜひ、コナンでお願いします。」と頼まれました。大切な生徒さんのリクエストにお応えして、2011年「劇場版名探偵コナン」15作目「沈黙の15分(クォーター)」から、江戸川コナンくんのセリフを紹介しましょう。スノーモービルで遊んでいた元太くんがスピードを出しすぎて横転してしまいます。それが原因で光彦くんと元太くんが言い争いをしていたときの、コナンくんのセリフです。このセリフは、この後の物語の展開を暗示しています。
「1度口から出しちまった言葉は、もう元には戻せないんだぞ。言葉は“刃物”なんだ。使い方を間違えると、やっかいな凶器になる。言葉のすれ違いで一生の友だちを失うこともあるんだ。1度すれ違ったら、2度と会えないかもしれない。」
 皆さんとは来年もまた、優しい言葉と明るい笑顔で、お会いしましょう。
   “Best wishes for Merry Christmas and a Happy New Year. See you.”

TOP