履正社Days 高等学校 A DAY

そのいざという瞬間に。

6ヵ年特進コース 2005年度卒/現 学藝コース(中高六年一貫)

増井 秀行 さん

京都大学医学部を卒業し、外科医、そしてがんの研究者として活躍中の増井先輩。最近、医師の中でも合格率が2~3割という日本内視鏡外科学会の「技術認定医」の審査に合格し、ほっと一息ついたところだという。

「私が主に担当している胃や大腸など、消化器系がんの緊急手術の際には、内視鏡を使った腹腔鏡手術がよく行われます。お腹の小さな穴から入れたカメラを見ながら進めるので、出血量や、身体へのダメージが少ないのが特徴です」

子どもの頃から、山や海や川など自然の中で遊ぶのが大好きで、「手を動かすのが好き」だった増井さん。外科の手術は通常4~5時間、すい臓の手術などは12 時間もぶっ通しで続くというが、全く苦にならないとか。

「手術中は全神経を集中させているので、1~2時間は一瞬で過ぎる感覚です。患者様の負担を考えると、手術は1秒でも早く終えたい。常に最短経路を探しつつ、その時々の状況によって模範解答を出し続けていきます」

外科医と患者との接点は、手術だけではない。

「がんの手術は術後の合併症のリスクもあるので、3~6カ月に1度の定期診察を5年間続けていただきます。術前から含めると、長いつきあいになりますね。中には御礼の手紙を送ってくださる患者様もいて、自分の好きなことで人に感謝されるのは、とても幸せだと感じます」

履正社で過ごした6年間は、「熱血」の印象だという。

「先生たち、全員熱血でした(笑)。カリスマ性があって、単純に教えるのがうまい。生徒を集中させる力がかなり強かったです。勉強と遊び、学校と塾。メリハリのある生活を送らせてもらって、充実していました」

増井さんには、今でも忘れられない言葉がある。

「教室の前の黒板の上にかけてあったのが、『鍛錬千日、勝負一瞬』という言葉でした。外科医は、いつ手術に呼ばれるかわかりません。そのいざという瞬間に力を発揮できるよう、日頃の鍛錬が欠かせない。外科医にとって、かなり響く言葉だと思います」

今後は外科の世界で指導的な立場に就くことが目標、と語った増井先輩。人生は勝負の連続。履正社で培った向上心を胸に、今日も医の道を歩んでいる。

 

■プロフィール
増井 秀行さん

1988年、大阪府生まれ。2000年に履正社の6ヵ年特進コースに入学し、06年に京都大学医学部に入学。大阪赤十字病院、神戸市立医療センター中央市民病院での研修を経て、外科医の道へ。現在は京大大学院医学研究科消化管外科研究室で大腸がんの研究にあたる。趣味はドライブ