その先にある本質を考えてほしい。
——教師を目指したきっかけは何ですか?
「体育大学の学生時代、小学生を指導する実習があって、そこで『教えることが楽しいな』という気持ちが芽生えました。ただ、その時はプロのサッカー選手を目指していましたので、引退後の仕事の第一候補として、教師を考えるようになりました」
——大学卒業後のご経歴を教えてください。
「実は内定をもらっていた企業が、サッカー部を廃部することとなり内定が取り消されてしまいました。そこで、所属先を探して1年間自主トレをしながら、複数のチームのセレクションを受ける時期がありました。その時に、シンガポールのプレミアリーグで活躍していた大学の先輩から情報をもらい、同リーグのクラブへの入団に迷わず挑戦することに決めました」
——海外でのプレーはいかがでしたか。
「当時、シンガポールのサッカーはまだ発展途上で、荒々しさが特徴のリーグでした。そこで1年間センターバックとして全試合に出場し、さあここからという矢先に、所属していたチームが倒産してしまったんです。他のチームに吸収合併され、『外国人枠』でプレーしていた私も契約を途中で打ち切られました」
ヨコにもタテにもつながっている。
——今、教師としてどんな指導を心がけていますか。
「良いものは良い、ダメなものはダメ、ときちんと伝えるということです。高校時代、何をするにもサッカーを優先していた私に、そうじゃないんだと厳しく指導してくださった担任の先生の教えが胸に残っています。また、『これをやりなさい』と言われた時に、なぜそれをやらなくてはいけないのか、生徒には、言われたことの先にある本質を考えてほしいと思っています。そこまで考えていける生徒が、やっぱり大きく成長しますから」
——履正社の競技コースの強みを教えてください。
「学年やクラブの垣根を越えて、仲が良いところです。同級生、先輩、後輩とヨコにもタテにもつながっている。そういうのっていいですよね。体育祭の運営や卒業式の準備など、競技コース全体で動く機会も割と多いんですが、全国レベルで活躍している良い見本が身近にいて、自分も負けんとこ、という刺激は受けやすいと思います」
——やりがいを感じるのはどんな時ですか。
「生徒たちが卒業後に会いに来てくれる時です。進学先や就職先での話、世間話をするなかで、成長した姿が垣間見えた時に、この仕事を選んで本当に良かったと実感します」

■プロフィール
上原 岳大先生
大阪府生まれ。ガンバ大阪ユースから大阪体育大学に進学し、2002年にシンガポールプレミアリーグのクラブに入団。専門学校の教員等を経て、‘10年に履正社高校に入職。サッカー部の顧問を務める