こんにちは、篠岡です。
近隣の服部緑地の梅園も見ごろを迎えた3月7日、前夜までの雨もすっかりあがって春陽の中、履正社高等学校第75回卒業証書授与式を総合体育館で挙行いたしました。648名の卒業生の門出を祝す厳かで素晴らしい式典となりました。

卒業生の皆さん、各々新しいステージで大いに飛躍してくれることを切に願っています。卒業おめでとう!



下に少し長くはなりますが、私の式辞を掲載しておきます。お読みいただければ幸いです。






式辞
弥生三月 麗らかな春の息吹を感じる今日ここに、学校法人履正社 履正社高等学校第75回卒業式を挙行できますこと、心より感謝申し上げます。また、挙行に際しまして、ご多用中にも関わらず多数のご来賓の皆様のご臨席を賜り、高所からではございますが、厚く御礼申し上げます。また、式場のお座席の都合で、すべての保護者の方々にこの場にご参列いただけず、別室よりご視聴いただく形をとらざるを得ませんでしたこと、心よりお詫び申し上げます。
保護者の皆様、お子さまの晴れのご卒業、誠におめでとうございます。高校生としてのこの3年間は、今後の長い人生の基盤となる心身ともに大きく成長する時期であります。と同時に、その成長が順風満帆とはいかぬ多感で不安定な時期でもありました。しかしながら、だからこそ、そこを乗り越えることで強く大きく成長することができるとも言えるわけです。このように高校生活紆余曲折ありながらも、保護者の皆様が温かく育み導いてこられた甲斐あって、目前のお子さまたちは頼もしく立派な若人に成長し今日の日を迎えております。皆様方のお喜びはひとしおのものがあろうかと拝察し、心からお祝い申し上げます。
先ほど、648名の皆さんに卒業証書を授与いたしました。あらためて卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。今、皆さんには万感の思いが巡っていることと思います。ただ、今日この日があるのは、保護者の温かい慈しみ、周りの人々のご支援、先生方の熱い思いに支えられたものであります。まずはその方々に対する「報本反始」の気持ちをこれからも忘れないでください。
思い起こせば3年前、本校が2022年に掲げた《RISEI VISION 2040》に則る教育改革を推し進め始めたその2期生として皆さんは入学されました。その新しい教育実践に共鳴してくれた皆さんは、近年稀に見る17クラスという大所帯でのスタートとなりました。その後も年々本校が様々な改革を進めていく最中、皆さんはその急先鋒として大いに活躍してくれました。旧来型の「ひたすら知識を蓄積し、難関大学を突破する」ことのみを目標とする学びではなく、大学以降、その先社会に出てからも一生涯発揮し得る‘生きる力’を身に着けてもらえるよう、教科、探究活動、行事、クラブ活動など多岐にわたる学びに、主体的・積極的・協働的に取り組んでもらいました。この新しいスタイルに対し、水を得た魚となり邁進した人もいれば、それまで慣れ親しんだ受動的学びとのギャップに多少戸惑った人もいたかもしれません。我々教員も知識を授けるティーチング主体から、皆さんに内在する‘生きる力’を育むようコーチング主体に変革しました。そうして、この3年間で培われた「個の力」と「衆の多様性を受容し協働する力」は、高校卒業後、大いに活かされると思います。
高校を卒業するということは、18歳成人になったことと同義です。皆さんは新年度から保護者や我々の庇護から巣立ち、まさに「一人立ち」せねばなりません。各々が「個」として社会を構成する一員となり、「一人の大人」として様々なことに対峙し、その義務と責任を果たしていく存在となります。しかし、皆さんは決して「一人っきり」ではありません。周りの仲間と力を合わせ、つまり対等な「個」と「個」が結びつきあって「衆」となり、多様性を重視するこれからの社会を構成していくのです。当然、その時は保護者や我々も「対等な個」となって皆さんと一緒に社会を形成していくのは言うまでもありません。
さて、皆さんが活躍する21世紀は「AIの時代」です。ここ数年だけ切り取ってもAIの進化は凄まじいものがあります。このペースでいくとAIがどこまで進化するのか想像もつきませんが、皆さんの20代、30代、40代……と、その社会がAIの進化に伴い大きく変化し続けていくことは容易に想像できます。昨今の様々な報告では、「近い将来、人間が従事する仕事の半数以上がAIに取って代わられる」なんていうショッキングなものもあります。しかし、皆さんは「AIに奪われる側」ではなく、「AIを使いこなす側、または共存できる側」になるために、AIが苦手とする人間にしかできないスキル、例えば、批判的思考、創造性、協働性、感情知性、文脈化と適応力などをこの3年間養ってきました。一時代前の‘知識一辺倒’ではない学びが、これからの社会できっと役立つのだと信じています。さらに、その時忘れないでほしいのが、履正社で体得した「勤労愛好」、つまり「学びをたのしむ」姿勢をこの先も持ち続けることです。それができれば、今後AIの進化がどれほど激しくても、その度に皆さんはしっかりアップデートして対応し続けることができるはずだからです。
最後に、皆さんに餞の言葉を贈りたいと思います。これは3年前、惜しまれつつ逝去され、晩年は国会議員も務められた私も大好きなプロレスラーアントニオ猪木さんが1998年の引退式で残したメッセージと、その言葉に続く「道」という詩です。私はこの詩は表現をかえたまさに「履正不畏」だと感じています。
「人は歩みを止めたときに、そして挑戦を諦めたときに年老いていくのだと思います。」
道
この道を行けばどうなるものか
危ぶむなかれ
危ぶめば道はなし
踏み出せば
その一足が道となり
その一足が道となる
迷わず行けよ
行けばわかるさ
卒業生の皆さん、これからも健康に留意され、「履正不畏」の精神を忘れず、各々の新たなステージで次なる目標に向かって精進され、それがやがて花を咲かせ、実を結ぶことを心よりお祈り申し上げます。皆さんが履正社高校の卒業生であることを誇ってもらえるよう、我々教職員一同は在校生と一丸となってますますの履正社発展に努めていきますので、これからも温かく見守ってくれれば幸いです。皆さんの前途が洋々たるものとなり、幸多かれと祈念いたします。
結びにあたり、ご臨席の保護者の皆様、お預かりしておりました大切なご子女を本日無事お返しするとともに、これまで本校の教育活動に多大なるご支援とご協力を賜りましたこと、厚く御礼申し上げまして、私の式辞といたします。
令和8年3月7日
学校法人履正社 履正社高等学校
校長 篠岡正和
