社会に出てから気づくこと。
創業以来、80年以上にわたり独自の技術開発に取り組むグローバル企業・スターライト工業株式会社の代表取締役社長に、この夏就任した西郷先輩。履正社中学で学んだことで、社会に出てから思い起こすことがあるとか。
「我が社の理念とも共通しますが、履正社の校訓には正しいことを堂々と行うべしと掲げられています。経営をしていると、短期的な利益や私欲に目が行き、企業や社会人としての本質をつい忘れがちなのですが、履正社ではそういう思想を教わったんだなと最近改めて感じることがあります」
神戸の自宅から片道1時間半かけて通学していた中学時代、「受験は高校受験で終わり」と考えていたという。
「昔から海外に対して興味がありましたし、『受験以外の学びや経験も大事にしたい』という気持ちがありました。その時間を作るためにも私立の高校を受けようと。履正社には同じような目標を持つ仲間が多く、モチベーションが高まる環境でした」
見事に“初志貫徹”し、慶應義塾高・大に進んだ西郷さん。大学では経済学を学び、ポンプメーカーとして知られる荏原製作所では海外営業を担当。ヨルダンやエジプトなどの中近東で国家レベルの給水事業に関わった。
その後、家業でもあるスターライト工業株式会社に入社。先代の社長を務めていた父の後を継ぎ、今や国内11拠点、海外8拠点、あわせて総勢1400人の社員を束ねている。
グローバルな視座を持つ西郷さんに、これからの時代を生きる子どもたちに求められる力とは何か、聞いてみた。
「正直、今は決まった答えのないことが多い時代です。『今まではこうだった』もますます通用しない社会。安定した環境は存在しない。ただ、その不安定な社会の中でも必ず誰でも自分にできることがある。そのできることと向き合って学び、夢中になってほしい。自分がしたことで誰かに感謝される喜びって、受験で合格した喜びとはちょっと違いますよね。できれば学生のうちにそういう誰かの支えになる取り組みを経験してほしいと思います。自分の力、自分にできることで社会の役に立つのが社会人ですから」
縁あってお子様も履正社中学に通わせた西郷さん。その目線は、常に時代の先を向いている。
■プロフィール
西郷 隆志さん
1974年、兵庫県生まれ。1987年、履正社学園豊中中学校に3期生として入学し、慶應義塾高校を経て慶應義塾大学経済学部に進学。卒業後は株式会社荏原製作所にて、中近東など海外向けにポンプの営業を担当。2004年にスターライト工業株式会社に入社。2022年、同社取締役社長に就任した。