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校長ブログ / 高等学校

2025.03 UPDATE

3学期終業式を行いました

3月25日(火)に、3学期終業式を行いました。私の挨拶は、MEETを用いて、各教室に映像付きで、配信しました。長文ですが、掲載させていただきます。

 皆さん、おはようございます。こうしてお話しするのは、2月18日の耐寒マラソン大会以来ですね。今年度、最後のお話となりました。この間の皆さんの活動を振り返って見ましょう。
 まず部活動では、剣道部男子が、3月16日に兵庫県で開催された第18回近畿高等学校剣道選抜大会に、チアリーディング部が、3月16日に岡山県で開催された、全日本選抜チアリーディング選手権大会の自由演技競技部門に、それぞれ出場しました。女子硬式野球部は、3月17日から埼玉県で開催されている第26回全国高等学校女子硬式野球選抜大会に出場しています。順調に勝ち抜き、今日9時から、準決勝を戦っています。4月6日に東京ドームで行われる決勝戦への進出を、期待しています。書道部は、第40回全国書き初め展覧会毛筆の部で、 優秀特選を受賞しました。吹奏楽部は、3月15日に豊中市立芸術文化センター大ホールで、「第12回定期演奏会」を、軽音楽部は、3月23日に記念ホールで、「Farewell Live」を、それぞれ開催し、日頃の練習の成果を大いに発揮し、見事な演奏と素敵なパフォーマンスを披露してくれました。
 また課題研究では、2月22日、23日に、法政大学で開催されたQUEST CUPに、2年生2チームと1年生1チームが出場しました。3チームとも、RISEI CUPから、さらに磨きをかけた発表を行ってくれました。その結果、2年1組「パピヨン」がコーポレートアクセス部門で企業賞を、1年14組「逆劇の覇者」がロールモデル部門で特別賞を受賞しました。その栄光をたたえる垂れ幕を、正門横に掲示しています。また、3月9日に、桃山学院大学で開催されたQUEST HEROESでも、4チームが発表してくれました。
 3月8日に卒業式を行い、3年生は、卒業しました。会場設営など、準備を手伝ってくれた部員の皆さん、ありがとうございました。卒業証書授与の時、卒業生が、担任の先生から一人ひとり、名前を呼ばれ、起立して返事をする様子を、私は、壇上から見ていましたが、とても良い表情で、堂々とした立派な振る舞いでした。そして、生徒会の皆さんは、卒業生のために、桜の花びらに書いてくれた、皆さんのメッセージを、飾ってくれました。絶好のフォトスポットになっていました。生徒会の皆さん、思いやり溢れる企画を、ありがとうございました。
 私は、この卒業式でも、漫画の話をしてしまいました。式辞の一部を、皆さんにも紹介しましょう。
卒業生の皆さんが進むこれからの社会は、変化の著しいものとなるでしょう。特に、AIとの付き合いは、避けられません。皆さんも、きっと学校や会社で、AIを使って資料やレポートを作成することでしょう。そこで、今日の私の式辞も、AIで作ってみました。その際、「卒業式の式辞で、アニメや漫画の話を入れてくれ。」とお願いしたら、こうなりました。
 さて、この大切な日において、皆さんにどうしても伝えたい話があります。それは、アニメや漫画の世界から学べる人生の教訓についてです。例えば「進撃の巨人」をご覧になった方も多いのではないでしょうか。あの物語では、エレン・イェーガーをはじめとする登場人物が、困難に立ち向かい、時には恐れや挫折を抱えながらも、未来を切り開く姿が描かれています。アルミンの言葉、「何かを変えられるのは、何かを捨てることができる者だけだ」という言葉には、大切なメッセージがあります。皆さんもこれから、多くの選択に迫られることがあるでしょう。その中で恐れることなく、自分の信じた道を進んでください。
 ホントは、もっと長い式辞で、「鬼滅の刃」も盛り込んでくれていましたが、その一部を紹介しました。何かそれっぽく聞こえませんか?「恐れることなく、自分の信じた道を進め!」まさに「履正不畏」ですね。ここまでAIは、進化しています。この後は、私が自分で考えた式辞を述べさせていただきます。
 私がAIで思い浮かべるのは、将棋です。2010年頃からプロ棋士とAIソフトが戦い始め、人間が勝つこともありましたが、2016年頃になると、もはやプロ棋士でも勝つことが難しくなりました。将棋で、人間の出る幕がなくなり、長い歴史も終わりかと思われたのですが、現在では藤井聡太さんの出現もあって空前のブームになっています。今は、AIと人が戦うのではなく、人間同士が戦うなかで、AIが形勢判断や最善手を示し、観戦している人が、棋士が最善手を指すかどうか、ハラハラしながら見守る「観る将」が増えています。失敗や逆転を繰り返しながら、新しい営みに挑んでいく。そんな人間の営みは、はたから見ると滑稽で悲惨なものかもしれませんが、だからこそいとおしい、人間らしいと思います。AI社会、AIにできることはAIに任せ、人は人にしかできないことに挑んでいくことが大切です。
 AIは、「進撃の巨人」を選びましたが、私は、将棋の漫画「3月のライオン」を紹介します。主人公の高校生プロ棋士 桐山零くんは、対局が忙しかったため、出席日数が足りず、留年の危機に陥りましたが、最後のレポート課題を仲間の力を借りて、無事進級しました。そのときに、担任の林田先生が、零くんに言った言葉です。
「そうやって力を借りたら、次は相手が困ってる時、お前が力を貸してやればいい。世界って、そうやって回ってるんだ。一人じゃどうにもならなくなったら誰かに頼れ。でないと実は、誰もお前にも頼れないんだ。」
 皆さんが進むこれからの社会は、人種、国籍、性別、文化といった、異なる価値観が入り乱れる、違うことが当たり前の社会です。むしろその違いにこそ意味があり、違いをお互いに受け入れながら、新たな価値を作り出していくことになります。
 多様性に溢れる社会、そしてAI社会を生きる上で、大切なのが「共感する力」です。相手が何を感じているのかを感じとり、理解する力であり、相手に対して自分は、どうありたいのか、どうなりたいのか、どうしたいのかを判断し、行動を決めていく力です。どうしたら他者のために力になれるのか、社会に対して役に立てるのか、誰かの困りごとを解決できるのかを、判断の軸として持たなくてはなりません。自然と、自分の意識は、社会に向かい、社会に対して、当事者としての意識が芽生えていきます。主体的に生きるためには、この「共感する力」は、欠かせません。
 高校卒業後の皆さんの人生は、これまで同様、決して平坦な道ばかりではないでしょう。その道のりを歩いていく皆さんには、自らをあるがままに前向きに肯定し、受け入れる心、すなわち自分を愛する心を、どうか大切にしてほしいと願っています。その自分を愛する心こそが、他人を愛し、社会を愛する心につながっていくのです。そのような生き方の向こう側には、あなたのことを認め、温かく見守り、寄り添ってくれる人との出会いが、必ずあります。
 そして出会った人に対する気持ちを大切にしてください。人との出会いが将来、自分にとって大きなものになるかどうかは、出会った人に対して、優しい気持ちを尽くすることから始まるのではないかと思います。自分の言葉、自分の行動を「優しさ」という観点で振り返る習慣をつけたら、次は、きっと優しい言葉が口からでてきて、取るべき行動も優しくなります。そしてそれは、必ず豊かな人間関係につながります。
 さぁ、来月4月7日は、入学式。8日は、始業式。いよいよ、新1年生が入学し、皆さんと出会います。この新たな出会いを大切にし、良き先輩として、優しい言葉と行動で、新入生を導き、豊かな人間関係をつくってください。そして履正社高校を、なお一層すばらしい「生徒が主役」の学校にしてください。大いに期待しています。それでは、どうか、お元気で。

 続いて、校外表彰として、QUEST CUP2025全国大会出場チーム、サッカー部(令和6年度大阪高体連サッカー専門部 フェアプレー賞受賞)、第40回全国書き初め展覧会毛筆の部 優秀特選受賞者を、校内表彰として、第2回漢字検定校内最高得点者、第3回全校一斉漢字テスト及び第3回全校一斉英単語テスト満点者、中高合同耐寒マラソン大会優勝者をそれぞれ表彰しました。続いて生徒指導部からの話を行い、最後に生徒会長さんが、赤い羽根共同募金や目安箱のお礼を行い、3学期終業式を終了しました。

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