1月8日(水)に、3学期始業式を行いました。私の挨拶は、Meetを用いて、各教室に映像付きで、配信しました。長文ですが、掲載させていただきます。
皆さん、おはようございます。そして、新年明けましておめでとうございます。12月25日の2学期終業式でお話ししてから、まだ2週間しか経っていませんが、その間に、2024年から2025年に、タツ年からヘビ年に、年が改まりました。短い期間でしたが、皆さんは、どう過ごしましたか。そして何を思いましたか。 「1年の計は、元旦にあり」といいます。正月の意義は、新しい年になった機会に気持ちを一新して、その年の決意をし、意欲を充実させることにあります。平凡な生活の繰り返しに、けじめをつけることは、人間の素晴らしい英知だと思います。
皆さんの、今年の目標は、何ですか。私の目標は、今年も、この履正社高校を今以上に「いい学校」、皆さんや保護者の方に「入って良かった」、私たち教職員も「働いて良かった」と思ってもらえるような学校にすることです。
そのために、今まで以上に「生徒が主役」の学校を作っていきたいと思っています。部活動でも学校行事でも生徒会活動でも、そして授業でも、皆さんが「主役」です。主役の皆さんには、「自分の力は、これくらい」、「これは自分には、向いていない」と、自分の可能性を自分で狭めずに、「あれかこれか」ではなく「あれもこれも」と欲張って、勉強や部活動、学校行事、生徒会活動などに積極的に全力で取り組むなかで、自己の可能性を拡大していってほしいと願っています。
今日は、ホントに寒い。でも確実に春は、近づいています。12月21日が冬至で、一番日照時間が短い日でした。もう冬至を過ぎていますので、一日一日、日が長くなっています。朝、学校に来るときや、夕方、学校から帰るときに、「あれ、今日はなんだか、昨日より明るくなっているな。」と、感じることでしょう。私は、寒い中にも、春の訪れを感じる今の季節が好きです。「冬来たりなば、春遠からじ。」ということわざがあります。品詞分解できますか。ちなみにこれは、イギリスの詩人、シェリーの詩「西風の賦」の一節“If winter comes , can spring be far behind ?”の翻訳です。
さて、秋アニメが終わり、冬アニメが始まりました。皆さんのお勧めは、何ですか。私のお勧めは、12月18日のRISEIラジオでも、紹介したように「Dr.STONE第4期」です。第1話は、まだ始まっていませんが、アニメ第1期・コミック第3巻20話「STONE ROAD」から、主人公 石神千空くんのセリフを紹介しましょう。
「俺らは、神様でも天才でもねえ。一歩ずつ一歩ずつ、地べた這いずり回って作っていくんだよ。」
村長の娘ルリは、肺炎を患っており、いつまで体がもつか分からない状況でした。そこで、千空が提案したのは、サルファ剤という抗菌薬の製造。その途方もない道のりを提示した際に、科学の地道さを説いたときのセリフです。昔を舞台としたアニメや漫画では、ペニシリンがよくでてきます。ペニシリンは、青カビを原料とした抗生物質で、「火の鳥」や「JIN-仁-」でも登場します。千空もその製法を知っていて、「生物ルート」と呼んでいますが、製造の成否には偶然の要素が大きく、千空が選択したのは、根気と人手がいるが、100億%必ず万能薬にたどり着ける「石ルート」で製造するサルファ剤です。すなわち、ベンゼン環にアミノ基がついたアニリンに、スルホンアミド基がついた、スルファニルアミドです。製造過程で得た副産物がさらなる科学の発展に役立っていきますので、「Dr.STONE第1期」における最重要アイテムです。
これから、受験本番を迎える3年生、就職や進学で新たなステージに向かう3年生、自分たちの代になり、新チームとして新たな飛躍をめざすクラブ生、そしてすべての皆さんに、この千空の言葉を贈ります。今の社会は、目に見える短期的な成果ばかりを追い求め、目立つように飾り立てたものを、評価する風潮がありますが、目に見えない、目立たないところを磨き上げることは、とても大切なことです。自分のできることをコツコツと継続する、その積み重ねがあって初めて、大きな成果につながります。あせらずに、何気ない当たり前のことをしっかりと行ってください。「凡事徹底」ですね。
ただ、冬アニメで第1話が終わった作品の中で、私の一番のお気に入りは、「沖ツラ」(沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる)です。舞台の、うるま市、金武(きん)町、宜野座町が、「聖地巡礼マップ」を作成されたそうで、沖縄まで聖地巡礼に行ってみたくなりました。「私のお気に入りは、違う!」という人、また熱く語り合いましょう。校長室のドアを開けて、お待ちしております。
この1年が、生徒の皆さん、そして我々教職員、すべての人にとっていい年であることを期待して、私の挨拶を終わります。みんなで、いい年にしましょう。