今日は、3学期終業式を行いました。私の挨拶は、Zoomを用いて、各教室に映像付きで、配信しました。長文ですが、掲載させていただきます。
皆さん、おはようございます。こうしてお話しするのは、1月8日の3学期終業式以来ですね。この間、女子剣道部は、1月22日に開催された第68回大阪高等学校剣道新人大会で、準優勝を果たし、3月20日に兵庫県赤穂市で開催された近畿大会、3月26日から愛知県春日井市で開催される全国大会に出場します。全国の強豪との試合で、さらなる高みをめざしてください。健闘を祈っております。
吹奏楽部は、3月18日に、豊中市立文化芸術センターで、第9回定期演奏会を開催し、素晴らしい演奏と素敵なパフォーマンスを披露してくれました。この2年間、コロナの影響で、吹奏楽部によるクラブ応援は、残念ながらかないませんでしたが、プログラムの「履正応援メドレー2022」の中で、履正社高校を思い切り応援してくれました。校歌演奏では、思わず涙があふれてきました。来年度、新しくチアリーディング部が、できます。吹奏楽部とのコラボ応援が、実現できることを願っています。そのためにも、強化クラブの皆さん、がんばりましょう。
さて、3年生は、卒業しました。当初、卒業式は、1月22日の予定でしたが、コロナ感染で、万が一にも受験に支障をきたすことのないように、私立や国公立前期日程の入試が終了した3月5日に、延期しました。学年末試験の最中にもかかわらず、会場設営など、手伝ってくれた部員の皆さん、ありがとうございました。卒業生が、卒業証書授与の時、担任の先生から一人ひとり、名前を呼ばれて起立する様子を、私は壇上から見ていましたが、とても堂々とした立派な振る舞いでした。送辞、答辞も素晴らしい内容でした。そして卒業式の時間を、少しでも短くするために、私の式辞は、割愛しました。「履正だより」には掲載しているのですが、今日お時間をいただいて、その一部を紹介させてください。どうしても漫画の話が出てきます。
さて、皆さんは、「アンパンマン」を知っていますね。作者の、やなせたかしさんは、アンパンマンを「世界一弱いヒーロー」と評しています。顔が濡れただけで弱ってしまうし、新しい顔を自分で作ることは、できないので、毎回ジャムおじさんやバタ子さんに助けてもらう。それでも決して武器は、持たず、自分の力のみで闘う。そして、おなかをすかせた人に、自分の顔を分け与える。当初は、この行為に、「顔を食べさせるなんて残酷」「子どもの情操教育上よくない」「こんなみっともない主人公では、売れない」という声も上がったそうです。しかし、アンパンマンは、大人たちの予想に反して、子どもたちから絶大な人気を得て、半世紀以上に渡って愛される大ヒット作品となり、子どもたちのヒーローとしての地位を確立しました。そして、やなせさんは、自伝のなかで、こう語っています。
「ホントの正義というものは、決してカッコいいものではないし、そして、そのために必ず自分も深く傷つくものです。そして、そういう捨身、献身の心なくしては、正義は、行えません。」
「正義」。この言葉を、堂々と語ることに、私は、ためらいを感じます。私たちは、歴史を通じて、排他的なイデオロギーに基づいた「正義」が、とても危うく、とても脆いものであることを痛いほどに学んできたからです。悲しいことですが、利己的なイデオロギーに基づく「正義」の行使によって、国際紛争や民族差別により迫害されている人々がこの地球上にいまだ多く存在するのも事実です。やなせさんが語るように、「人」と「人」という関係性において、「捨身、献身の心」すなわち他の人を思いやる「利他的な心」が、決して揺るぎのない「ホントの正義」に、他なりません。
私が「履正だより」に、この式辞を書いたのは、昨年の12月14日でした。この時は、まさか「正義」の名のもとに、ウクライナで死んでいく人々が、今この瞬間にも存在するとは、夢にも思いませんでした。連日、この事実に、何もできない自分に対して、どうしようもない無力感や絶望感がこみ上げてきますが、そんなとき、以前紹介した、漫画「鋼の錬金術師」第108話「旅路の果て」での、主人公エドワード・エルリックのセリフが、思い浮かびます。
「方法はあるはずだ・・必ず・・ 考えろ考えろ考えろ 思考を止めるな!!」
私たちは、思考を止めることなく、一日も早く解決方法を導き、一人でも多くの命が救われることを、強く強く願っております。
「鋼の錬金術師」は、月刊少年ガンガンでの連載が始まって、今年が20周年。コミックやアニメは、すでに完結していますが、実写版も、今年の5月、6月の2部作で、完結します。荒川弘先生は、私の好きな作者のお一人で、1月から再び月刊少年ガンガンで「黄泉のツガイ」の連載が始まりました。
始まるといえば、冬アニメが終わり、4月から春アニメが始まります。人気アニメの2期目が多い中、私は、NHK Eテレで初めてアニメ化される「アオアシ」を楽しみにしております。愛媛県の公立中学の弱小サッカー部の青井葦人(アオイアシト)くんが、「東京シティ・エスペリオンFC」ユースチームの監督に見出され、ユースのセレクションを受けるところから、物語は、始まります。高校やプロではなく、ユースを舞台にしたサッカー漫画は、少なく、コミックは、27巻まで発行され、現在も連載中です。NHKは、「メジャー」、「ピアノの森」、「進撃の巨人」や「キングダム」などの長編漫画を、最後までアニメ化してくれるので、「アオアシ」も期待しております。また「アオアシ」は、履正社高校サッカー部も出場する「高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2022」の公式ポスターにも、使われています。玄関に掲載していますので、また見てください。サッカー部は、4月3日に、プレミアリーグ初戦を、サガン鳥栖U-18と、SAGAサンライズパーク陸上競技場で戦います。健闘を祈っております。ところで、皆さんの冬アニメのお気に入り、春アニメのお勧めは、何ですか。同じ趣味を持つ人、また熱く語り合いましょう。
4月7日は、入学式。いよいよ、新1年生が入学してきます。新入生を迎えて、良き先輩として、新入生を導き、これからの履正社高校をなお一層すばらしい学校にしてください。履正社高校は、今年創立100周年となります。皆さんと一緒に、新たな伝統を創っていきましょう。それでは、次は、4月8日の始業式で、またお会いしましょう。それまで、どうか、お元気で。