篠ブログ №4 令和に伝えたい平成の履正社―「鍛錬千日 勝負一瞬」リメイク(高校編)
こんにちは、篠岡です。
先日配信の【篠ブロ№3】では、SEO意識を前面に出したので、少しpopになりすぎたきらいが…。
今号からはもう少し‘平常運転’ に戻そうと思います。

ところで、ゴールデンウィークも今日で折り返し。
皆さん、いかがお過ごしですか?
休みを全力で満喫しながらも、
「休み明けのテスト大丈夫かな…」と、ふと頭をよぎったりしませんか?
休み中は学校で拾う話題(ミニのネタ)もないので、
今回は、GW明けの一斉英単語テスト、その先の中間試験を見据えてのお話です。
これは去年もこの時期に配信しましたが、少しリメイクしての再配信です。
GWを謳歌しながらでかまいません。
4月の自分を少し振り返りながら、
そして、5月以降の生活を思い描きながら、
少し時間を割いて読んでみてください(GWなのでいつもより長編です)。
それでは、私が学年主任&担任をしていた頃、
「平成」時代の履正社のお話を…。

■『鍛錬千日 勝負一瞬』とは?
=令和の学びとのつながり

上の写真は当時、私のクラスや学年の合言葉として、
教室前方、「校訓」の隣に掲げていた額です。
この言葉の源流は、
かの二刀流で有名な剣豪 宮本武蔵(下絵)が残した
『千日の稽古を以て鍛とし、万日の稽古を以て錬とす』
(意味:多くの日数をかけて学んだことを習得するため心技体を鍛え、さらにその先、数多くの日数をかけて技芸を心身に練り固める)
という教えにあります。

それを昭和の終わり、甲子園で優勝3回、準優勝2回
一世を風靡した徳島池田高校の名将 蔦文也(つたふみや)監督がアレンジされた造語
『鍛錬千日之行、勝負一瞬之行』からきています。
この言葉は、今でもスポーツや格闘技の世界では格言となっており、
・日頃の地道な努力の積み重ねの大切さ
・本番では一瞬を逃さず勝ちをもぎ取る集中力と判断力の重要性
を説いたものだと私は解釈しています。
私はこれを勉強の世界に置き換え、
・『千日の鍛錬』=3年間の高校生活
・『一瞬の勝負』=大学入試本番
と生徒たちに日々意識させていたのです。

■平成 から令和へ
―履正社の‘進化’と‘不変’

時は流れ「平成」から「令和」に。
世の中も変わり、〈RISEI VISION 2040〉のもとで本校の教育活動も進化しました。
・教授法(teaching ➡ coaching)
・カリキュラム(「言語技術」を学びの核に)
・自主選択の放課後活動(多彩なゼミ&クラブ)
・ICT活用(iPadや様々な学習用アプリ)
…などなど
しかし、高校3年間の先にある大きな関門が大学受験であることは変わりません。
そして、そこに至る間、目標に向かって日々努力し続ける大切さも変わりません。

変わったのは
本校が『その学びをたのしもう』と掲げていることですかね。
履正社の伝統「朝活動(旧早朝テスト)」も今ではデジタル化され、例えば…
・中高… ‘フォーサイト(デジタル手帳)’ で日々の計画
・高校…英単語テストアプリ ‘タンゴスタ’
・中学…5教科テストアプリ ‘Monoxer’
・中高…課題等の提出、返却は ‘ロイロノート’
このように ‘ICT化’ と ‘個別最適化’ が進んでいます。

ただ、平成の「早朝テスト」➡ 現在の「朝活動」。
形は変われど、その本質は変わりません。
ICTで学びの内容が ‘見える化’ され、便利で理解しやすくなった反面、
日々の自身の学びの足跡(ログ)も ‘見える化’ が進み、もはや誤魔化しが利かなくなっています。
平成の教室で掲げていた『鍛錬千日、勝負一瞬』の額を令和の今、掲げているクラスはありません。
しかし、そのイズムは令和の履正社の学びの根底に生き続けています。

■ 履正社昔ばなし
―「実録・2人の旧6貫コース1期生」

ここからは、『鍛錬千日、勝負一瞬』の言葉を、私自身が痛感した忘れられない出来事です。

さて、平成期の履正社は、
7時間授業+2時間+αの必修講座が象徴するように
ある意味 ‘知識蓄積主義の権化’ でした。
そして「早朝テスト」も、
その名の通り毎朝8時過ぎから漢字・英単語・計算などの小テストを行い、
不合格者は夜遅くまで居残り、というものでした。
これにまつわる20数年前に私が担任した旧6ヵ年コース1期生の話を紹介してみます。
そのクラスの2TOPがМ君とN君。
М君は努力の秀才型で頭角を現したのは後半、高校部に進んでからでした。
彼はコツコツ努力を重ねる実直さと、己の目標に向かって揺らがぬ良い意味での頑固さを持つ生徒でした。
勿論、テストと名の付くものは「早朝テスト」でさえ、取りこぼすことは皆無です。
結局、彼は現役で京大医学部に合格し、外科医になる夢を見事叶えました。
(…M君の今が気になる人は、一番下のリンク★から飛んでみて)
そして、もう一人のℕ君が実は今回の主人公。
彼は中学入学時から異彩を放っており、良くも悪くもマイペースの天才肌でした。
大きい試験では本領発揮するのですが、「早朝テスト」などは平気で不合格。
そんな彼の口癖が「先生、大丈夫っすよ。本番では落としませんから」でした。

■6年後―運命の日


N君は、東京大学理科Ⅰ類前期をたった0.3点差で涙を呑みました。
後期も同じ理Ⅰを今度は1点差で×。
残念ながら履正社初の東大合格は、翌年の2名の後輩に譲る形となりました。
発表直後の彼は、我々の落胆を他所に相変わらずのマイペース。
ひょうひょうと
「スンマセン、やらかしました。」
「気づいただけでも2~3個、中学レベルの英単語のつづり間違いました。
1個でも合ってたら合格でしたね」と。
続けてここだけはしんみりと
「こんなことなら、早朝テスト、もうちょっと真面目にやっときゃ良かったですわ…」と敗戦の弁。
その後、彼は浪人はせず慶応大へ、
さらに東工大(現東京科学大)の院へと進み、
今では誰もが知る大手IT系企業の研究員&某私立大学の客員教授として活躍しています。


■令和の皆へ―届けたいメッセージ

上の通知は本人から、
「かわいい後輩達のために戒めとして使ってください」
と許可を得ていますが、
後輩たち以上に、教員生活を続ける中で
私自身が今でも戒めとしています。
・「一瞬の僅かな差で勝敗を分ける本番の恐ろしさ」
その紛れを少しでも減らすために、
・「常日頃から小さい努力を積み重ねることの大切さ」
この2つをあらためて痛感した出来事なのです。
『鍛錬千日、勝負一瞬』を語る上で、
このエピソードは外すことはできませんので、
今年もブログにあげてみました。
「日々の基本の積み重ねが大事」なのは、
勉強もスポーツも同じ。
「平成」も「令和」も関係ありません。
この話を聞いたら、皆さんも、
様々な小テストやキャッチボールなどの基本動作、
簡単に疎かにはできませんよね?
今日の一歩が、皆さんの〝未来の一瞬〟を、きっと支えます。
どうですか? 皆さんも座右の銘にこの言葉を。

■あとがき―令和に響く武蔵の言葉

もしかしたら、21世紀に皆さんが目指すべき、
一生涯『学びをたのしむ』人の姿 を、
武蔵は『万日の稽古を以て錬とす』と、
遠い昔にすでに言い当てていたのかもしれません…。

★ 今も『鍛錬千日』を体現するМ君からのメッセージ 👉 自分の好きなことで人に感謝される幸せ。
・山田哲人選手(ヤクルトスワローズ)からもメッセージ 👉 自分を変えてくれたひとつの言葉。
*前号へのリンク👉篠ブログ №3 AI先生のブログ診断「老いては‘AI’に従え」