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2025.04 UPDATE

【多言語多文化教育部】Te Puke High School(NZ)学術交流 学校生活3日目

 今日はTe Puke High School(テプケ高校)の皆さんが履正社で学校生活を送る最後の日。昨日と同じように、1,2時間目は本校の授業に参加、3,4時間目は文化交流の準備、午後は記念ホールで文化交流とプログラム修了式を行いました。

 登校した後のテプケ生たちは、今日も前夜の出来事についてワイワイと話していましたが、3日経っても驚きは尽きないようです。昨日はラーメンを食べに連れて行ってもらった生徒もいたようで、朝の話題は日本の食べ物に関することが多かったようです。ホストファミリーの皆さまには、本当に良くしていただいていると、引率の先生からも感謝の言葉をいただきましたし、学校としても本当にありがたく思っています。

 1、2時間目は通常授業ですが、今日でこの授業もおしまいと、テプケ生たちはとても残念そうにしていました。英語の授業ならまだいいのですが、数学や古典や、時には体育ということもあり、履正社の時間割通りに2時間の授業を受けているうちに、クラスメイトたちとも随分距離が縮まったようです。3時間目の前に、「授業終わったけど、どうだった?」と聞いてみたところ、「教室で机に向かって授業を受けているのが夢みたいだった……」「もう授業ないのかぁ……」「もっと長くいたいなぁ……」など、口々に残念そうに話してくれました。

 3、4時間目は、午後に予定されている文化交流に向けた準備なのですが、ここは少し仕込みの時間。ちょっと目を離した隙に、お世話になったホストファミリーにお手紙を書いていたようでした。短い間ではあっても、文化も言葉も違う場所に飛び込んできたテプケ高校の生徒さんたち。また、言葉も文化も違うところから来た生徒たちを受け入れてくださっている履正社のホストファミリーの皆さん。双方にとって、間違いなく大きな経験であったと思いますし、こうした経験が、まさに世界を目の前に実感する一番確実な方法なのだろうと思います。そうです。「ここが世界」なんです。

 最後の昼ごはんも、バディと一緒に。食堂で友達に囲まれながら食べている生徒も、教室で同じようにたくさんの友達と一緒に食べている生徒も、もうすっかりそれぞれの場所に馴染んでいるように見えます。履正社での時間を噛み締めるように、楽しげに昼休みを過ごしていました。

 昼ごはんの後は、いよいよ最後のプログラム、文化交流です。2階の広いホールで、最初はホストバディとスクールバディだけが集まって、明日のお見送りについて、担当の先生から確認があり、その後少し時間をとってあれこれ練習しようと思っていたのですが、最後のチャンスだから、どうしてもテプケ生と交流したい! と強く申し出たクラスの生徒たちが、先生に連れられて予定より早く合流。急遽日本の伝統の遊び大会が始まりました。

 テーブルに広げられたのは、だるま落とし、けん玉、ベーゴマ、おはじき、お手玉、折り紙、トントン相撲に福笑いと、日本の昔の遊びのオンパレード。履正社の生徒たちも、実はやったことがないものもあり、特にけん玉やお手玉には苦戦する様子が見られました。折り紙は、定番の鶴や手裏剣に混じって、いかにも飛びそうな紙飛行機がたくさん! 意外と受けていたのは福笑いで、マリオの福笑いに多くのテプケ生がチャレンジしていました。目を閉じたテプケ生に履正社の生徒が目や髭や眉毛を手渡しておいていくのですが、「ヒゲって英語でなんていうの?」「まゆげ、去年テストに出たんだよなー。なんだっけ……」など、履正社生にとって説明力と単語力が求められるゲームだったかもしれませんね。

 6時間目は、さらに多くのクラスが合流。頃合いを見計らって、テプケ高校の、マオリの歌と踊りのパフォーマンスが始まりました。最初は引率の先生から、マオリ語で土地の神様や受け入れてくれた家族、学校などへの感謝の言葉が述べられ、マイクを通さずに話されるマオリ語の響きに、詰めかけた200名を超える履正社の生徒たちも、神妙な様子で耳を傾けていました。そして始まった、マオリ独特の手を振るわせるような動きや足を踏み鳴らすリズムに合わせ、マオリ語で歌われる旋律。それはとても美しく、話される言葉も普段私たちが学んでいる英語とは全然違う響きでしたが、この歌は、異なった立場の人たちが、その違いを乗り越えて縦糸と横糸のように一つのものを織り成していく、という意味が込められた歌なんだそうです。テプケ高校と履正社の関係をイメージした選曲と後で教えていただきましたが、とても嬉しいことですね。

 その後、もう一曲パフォーマンスを見せてもらった後で、ステージから降りたテプケ生に教わりながら、履正社の生徒も歌に合わせて全員で一緒に踊ってみました。先日マッセイ高校のラグビー部が見せてくれたハカとは違う、とても穏やかな動きながら、細かな所作にやはりマオリらしさを感じます。微妙な動きはうまくできなかったかもしれませんが、初めて触れる異文化の踊りと、一緒に踊ることで生まれる不思議な一体感に、遠いはずの南半球、ニュージーランド、そしてテプケの街がぐっと近づいたような気がしました。

 パフォーマンスの後、テプケ高校から履正社へプレゼントを頂戴しました。そして履正社からは、参加してくれたテプケ生と今回ホストバディやスクールバディを務めてくれた生徒たちにプログラムの修了証が手渡され、テプケ生には履正社グッズのプレゼントも。そして、テプケ高校へは、いつもの「r モノリス」に加え、テプケ高校の皆さんが訪れてくれた春の大阪をイメージして、桜の大阪城を描き出した1,000ピースのジグソーパズルをプレゼントしました。帰国した後の日本語の授業で、みんなで作ってもらいたいですね。引率の先生方にも日本の漫画キャラクターがデザインされた、先生用のスタンプセットやシールのセットをプレゼント。喜んでいただけたら嬉しいです。

 テプケ高校の皆さんは、明日朝、ホストファミリーに送られて学校に集合したのち、スクールバスで新大阪に向かい、次の見学地に向けて出発します。きっと今頃、各ホストファミリーで最後の夜を楽しんでいるのでしょう。明日のお別れは寂しいですが、お別れが寂しいほど一緒の時間が充実していたということ。願えばまたきっと会えるはずですし、遠く離れた場所に、自分をよく知った人がいてくれるということは、本当に大きな財産だと思います。このお別れが、さらに続く素敵な繋がりの始まりとなりますように。

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