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「Vol.24 大丈夫、何とか上手くいく」

2021.02. UPDATE
 「鍛練千日勝負一瞬」。入試に向けた心構えとして、校内でみなさんが目にする言葉です。受験生にとって1月、2月、3月はいよいよ入試の季節であり、既に終わった人も、ラストスパートになってきた人もいるでしょう。(本稿は2021年2月1日記載)。入試は新しい学びのステージへの扉のようなもの。受験生はこの扉をノックするチャンスをつかんでいるとも言えるでしょう。 

 みなさんは「小さなときからの夢のために」「興味のあることをじっくり学びたい」「自らを鍛え成長させたい」とそれぞれの目標に向けて学んできたと思います。その成果で、試験日が迫ってきても「やれることは全てやった。後は当日を迎えるのみ」という頼もしい人もいるでしょう。一方で「緊張する」「実力が発揮できるかな」と心細く思っている人も多いのではないでしょうか。

 もし不安に思う気持ちがフツフツと出てきたら、ちょっとあなたの成功体験を思い出してみてください。例えば幼稚園児や小学生の時、初めて自転車に乗れたこと。何度も途中で立ち上がってしまっていた25メートルプール、ある日、なんとか泳ぎ切れたこと。中学生のとき、サッカーで失敗していたシュートを決めることができた日など「やったな!」と思うことが大なり小なりありますよね。努力した、緊張した、がんばってクリアできた。上手くいった、壁を乗り越えたその時のことを思い出すのも力になるものです。

 そして、私の経験で言いますと、その日を迎えたら開き直るぐらいの気持ちでいることも大切です。「大丈夫、何とか上手くいく」。きっと上手くいきますよ。

 受験は人生の中でのターニングポイント、山場のひとつです。山場というものはこれから幾つもみなさんの前にやって来ます。今までとはまた違った壁が現れます。私にも幾度かそのような場面がありましたが、過去を振り返ったとき「なんであの時あんなに不安で押しつぶされそうに悩んでいたのか。」ということが結構あります。今となっては「そんなに心配しなくても道は開ける。何とかなるから悩まなくていいよ。」とあの時の自分に教えてあげたい。人生の問題として考えたとき、目の前の課題は上手くいってもいかなくてもそこがゴールでは無い。本当に重要なことは、そこに至るまでのプロセスをどのように活かすかだ、と教えてあげたいのです。

 成功は慢心や気の緩みから次の失敗に繋がりがちだし、失敗は反骨精神から次の成功を生むものです。まさに「人間万事塞翁が馬」なのです。(この言葉については2020年2月の理事長だよりでも触れましたので、アーカイブをお読みください。)

 仮に今回は目標どおりでは無くても、みなさんはまだまだ若く失敗はむしろ肥やしになる。ドンと構えてください。失敗から学ぶ雑草のような精神が、自分をひと回りも二回りも成長させてくれるというものです。

 もちろん、上首尾の結果が得られるに越したことはありません。新たな目標に向けていち早くスタートラインを切ることができます。

 さあ、「履正不畏」「しっかり、まっすぐ」の精神で、道を切り拓いてください。健闘を祈っています。
2021年02月
学校法人履正社 理事長
釜谷 等