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「Vol.2 ありがとう」

2019.05. UPDATE
 今年3月、履正社高等学校にアメリカ合衆国ハワイ州カウアイ島から女子中高生バレーボールクラブチーム「IKELOA」の選手・スタッフ・保護者約80名が3日間来校。本校女子バレーボール部と合同練習・親善試合が行われました。スポーツで一緒に汗をかいたあとは、本校キャプテンによる英語の歓迎スピーチに始まるレセプションや、バレーボール部保護者会の方々による130人前の手づくりカレーライスなど、期せずして和気あいあいの草の根国際交流の場となりました。ハワイと日本の距離が少し近くなったようです。
 来校にあたりハワイの選手たちは「ありがとう」の言葉だけを覚えてやって来たとのこと。それを聞いて、ソ連時代のモスクワとレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)へ行った30年ほど前の私と同じだな、と思わずニンマリしました。ロシア連邦に変わる以前のソビエト連邦は共産主義の国。当時は鉄のカーテンやベルリンの壁がまだ立ちはだかっていた時代でした。働く人たちは国営企業勤務のため、サービス精神ゼロ。私はロシア語のありがとう「スパシーバ」だけを覚えて渡航し、バスのチケットを買う時や食堂でスパシーバと言ったら、今までムスッとしていた人たちが少しニコッとしてくれたものです。
 ハワイの選手たちも「“thank you”の意味の日本語は“ありがとう”だから、まずはこの言葉から」と来日前に覚えたのでしょう。「ありがとう」。この言葉はとてもとても大切な言葉です。「ありがとう」と言われて、嫌な気持ちにならないですよね。仲良くなるには感謝の言葉がKeyと思うのは、万国共通のようです。
 平成から令和と時代が変わり、人々の価値観も変化していくでしょう。変わって当然なのですが、履正社の建学の精神「報本反始」にも通じる感謝の価値観は永遠不滅ですから、日頃から「ありがとう」を口に出すよう心掛けたいものです。みなさんの家族へも、大切な言葉をしっかり伝えて欲しいと思っています。
2019年05月
学校法人履正社 理事長
釜谷 等