こんにちは。「学術基盤センター」センター長の松本です。
現地台南から、「多文化フィールドワーク」4日目の模様をお伝えします。
今日は最終日。ようやく慣れてきた台南の街とお別れし、帰国の途につきます。朝9:00にホテルを出て一時間弱、バスで南部の空港の街、高雄を目指します。
高雄では「哈瑪星(はましん)駁二線(ばくにせん)」でミニ列車に乗るアトラクションを体験し、高雄港の倉庫群を改装したエリアで、台湾最後の時間を過ごします。
高雄は台湾を代表する港ですが、物流の変化を受けて赤レンガ倉庫が役割を終え、オシャレなショッピングモールに生まれ変わっています。横浜の赤レンガ倉庫と同じ流れですね。気温は台南よりも明らかに高く、湿度もグッと上がりました。日差しも一際強く、汗ばむほどです。
保存されている古い高雄駅の駅舎を見学してから、古い機関車や客車がぽつぽつと置かれた、かつての広大な操車場跡地を歩いて横切り、赤レンガ倉庫群へ。こちらは梅田駅北側の再開発エリアと同じ感じですね。目の前の赤レンガ倉庫は日本統治時代のもので、ゼーランディア城と同じくイギリス積みの堅牢な作りです。レンガ一つ一つの精度が高く、あとの時代のものとひと目でわかります。
ひっそりと脇の方で、巨大なガジュマルの根に抱き抱えられるように、入り口を塞がれた防空壕があったりして、戦争の記憶がこんな日常のすぐ横にも顔をのぞかせることに、しばしハッとさせられます。
高雄は最新のトラムが四方に走る、近代的な国際芸術都市でもありますが、生徒たち(と私たち教員も)はそのトラムをさらに小さくしたミニトラムに乗って、その倉庫群の中をのんびりお散歩です。遊園地などにある子供用のアレなんですが、高校生10人で乗るのもなかなかシュールながら、しばし童心に返るひとときでした。





乗車後は少し歩いて、さらに先の赤煉瓦ショッピング街へ。軽食と旅のお土産を兼ねた散策時間としました。生徒たちは思い思いの場所で買い物をしたり、最後のタピオカミルクティーを楽しんだり、写真を撮ったりして時間を過ごし、その後、バスに乗り高雄国際空港へ。帰国するのがちょっと信じられないくらい、充実した時間を過ごさせてもらった台湾とも、いよいよお別れです。
チェックインを済ませ、荷物を預けて(重量オーバーはいませんでした!)から、出国に向かう私たち。四日間お世話になった鳳気至先生と、ガイドの春蘭さんとはこちらでお別れです。特に鳳気至先生の専門的かつ温かみのある各地での解説は、私たちが陥りがちな思考の落とし穴を丁寧にかわし、研究に基づいた冷静な思考に導いてくださいました。このプロジェクトが素晴らしいものとなったのは、先生と後ろで支えてくださった台湾研究者の皆さまのおかげです。ありがとうございました!
なお、鳳気至先生からは、先生が翻訳された、台湾糖業に関する、山本悌二郎(初日にみんなで見学した建物の入り口にあった胸像の人)の業績を扱った書籍をご献本(もちろんサイン入り!)いただきました。センターで大切に所蔵させていただきます!
空港では最後にもう一押しお買い物を楽しみ、時間通りに搭乗、機内ではほぼ全員が爆睡状態でしたが、3時間弱のフライトを経て薄曇りの関空に帰着、19:20に解散しました。台湾から来ると、やはり日本は涼しく感じます。
3泊4日と短い時間ながら、それを忘れるくらい密度濃く学びの多い時間でした。フィールドワークの名の通り、蓄えた知識を総動員した上で、五感をフルに使ってそのリアルな有りようの中にどっぷりと浸かり切った生徒たちからは、軽々と国境を越える自信のようなものを感じます。もう目の前に迫った大学進学後も、さらにさらに世界を広げ、その世界の真理に迫る学びを深めてほしいと願っていますし、みなさんはすでに台湾の歴史の一部ですので、また台湾を訪れ、まだまだ奥の深い台湾を探してみてください。
このあとは、生徒たちのフィールドノートを提出してもらい、編集して紀要にまとめる予定です。どこまでも続く学びの入り口に立った、今回の「多文化フィールドワーク」。履正社の学びの一つの形として、今後もさらに充実させてまいります。
参加してくれた生徒の皆さん、保護者の皆さま、サポートいただいた台湾研究者グループ「SNET台湾」のみなさま、ありがとうございました!







