こんにちは。「学術基盤センター」センター長の松本です。
今日は、本校で今年度からスタートした「多文化フィールドワーク」の模様をお伝えします。
まず「多文化フィールドワーク」とは何かと申しますと、簡単にいうと、「普段の授業の中で深めた各教科の学習内容を、単に試験で終わらせるのではなく、蓄えた知識や考えたことを実地でフィールドワークすることでさらに鍛え、深めるためのプロジェクト」です。企画するのは各授業を担当されている先生方で、学術基盤センターが実現に向けたお手伝いをする、という建て付けです。
今年度は、何はともあれ「まず一回やってみよう」ということで、このアイディアを先生方にお伝えしたところ、世界史の先生からぜひやってみたい! というお声がけをいただき、台湾を舞台に多文化フィールドワークが実現したというわけです。

もちろん、ただなんとなく台湾に乗り込んで来たわけではありません。今回は、「東インド会社・オランダ・日本の植民地統治と近現代史の交差点としての台南を歩く」をテーマに、日台を代表する台湾研究者や現地の大学、高校、博物館などのお力を全面的にお借りして、古都・台南を舞台に、最高レベルの学びのチャンスを企画しました。
この贅沢なプログラムに参加するのは、つい先日卒業式を終えたばかりの履正社高校3年生、10名。初日の今日は、朝早く関西国際空港に集合し、一路台湾南部の都市、高雄を目指します。お見送りには多くの家族のみなさまに紛れて、生徒たちを送り出したばかりの高3担任の先生の姿も……。出発前の緊張した生徒たちの表情も一気に緩みました。
さて、到着機材の遅れに加え、関空の滑走路が混んでいたことも手伝い、私たちの便は1時間ほど遅れて高雄国際空港に着陸しました。到着時の気温は27℃。最近は大阪でも暖かくなってきましたが、それでも出発時の気温は10℃でしたから台湾は暑い! もちろん上着は要りませんね。
海外での行事にはつきものの、緊張の入国審査、税関も無事通過し、私たちはすぐさまバスに乗り込んで最初の訪問地、「橋頭糖廠」(台湾糖業博物館)を目指します。




台湾の精糖産業は、植民地時代と密接な関係があります。日本統治時代に建てられた数々の建物の中を歩いていると、なんともいえない既視感に襲われますし、教科書の中でわずか数行で述べられている事柄が、目の前で実態を持ってリアルに立ち上がってくる感覚は、納得感とも、違和感とも、あるいは困惑とも違うものに感じます。
見学中はガイドについてくださっている、「台湾の京大」ともいうべき地元台南の名門、成功大学の先生から直接説明をしていただき、またどんな些細な質問にも丁寧に答えていただいています。引率の先生も我慢できなくなったのか、展示ごとに細かな解説と補足、そして授業ではこういうふうな文脈で話したね、という確認が入り、生徒たちは熱心にメモを取り、写真を撮りながら、フィールドの記録を残していきます。……というか、先生が一番興奮していたかもしれませんね。





精糖工場の見学を終えた後は、宿泊地の台南に向かいます。高雄から台南はバスで約1時間少々。道中、地平線に沈む綺麗な夕日に見送られ、一路北を目指しました。
台南ではまず夕食をいただきます。台南の名店、「度小月」さんで、円卓を囲んでの夕食会。日本とは違う味付けや、台湾名物(大人の味)のからすみなども食卓に並び、これはみなさんおっかなびっくり口に運んでいましたね。ニンニクの効いた空芯菜や、優しい味付けのつみれスープなどもあった中、一番人気はチャーハンだったようです。



お食事に満足した後はホテルへ。チェックインするとまずはオリエンテーション。このフィールドワークのこの先の予定の確認や、心構えなどの共有をし、明日の集合時間などを確認したら、今日は解散です。
朝も早かったですし明日も盛りだくさんですから、しっかり寝て、明日以降に備えたいですね。
では、静かに夜に沈む台南からの報告でした。
明日また続きをお知らせします。


