海外出張レポート(シンガポール編)―多様な環境で育つ皆さんへ、日本での学びを考える―
本校では昨年度より帰国生入試を導入し、海外で学ばれている生徒の皆さんとの新たな出会いづくりに取り組んでいます。
5月のシンガポール出張では、現地の教育環境や進路ニーズへの理解を深めることを目的に、国際教育フェアへの相談ブース出展、現地日本人学校や学習塾への訪問、現地にお住まいの方との個別面談などを行いました。
また、昨年度実施した帰国生入試について、現地でご協力いただいた先生方や関係者の皆さまへ実績報告とお礼をお伝えするとともに、今後の現地入試実施も見据え、試験会場候補地の下見なども行いました。


シンガポールは、東西を結ぶ交易の要衝として発展してきた歴史を背景に、現在も多様な文化や価値観が共存する社会が築かれているように感じます。街の中では英語、中国語、マレー語、タミル語などが飛び交い、独特の英語表現である“シングリッシュ(Singlish)”に触れる場面も多くありました。実際に現地で生活されている方々と接することで、多文化社会ならではのコミュニケーション環境を体感する機会となりました。
また、この国では外国人居住者の多さや国の方針も相まって、数多くのインターナショナルスクールが存在し、多様な教育体系の中から進路を選択できる環境が整っているように感じました。一方で、近年はシンガポール国内において“シンガポーリアン(Singaporeans)優先”の考え方が強まっているとも言われており、就業環境や将来設計に対する考え方にも変化が見られるようです。こうした状況の中で、保護者の方々の間では、「将来シンガポールで働くことを考えた場合、現地大学を卒業していることが一つの強みになるのではないか」といった声も聞かれました。そのため、海外大学進学を検討する際にも、「どの国で学ぶか」という視点が、以前にも増して重要になってきているのかもしれません。
実際にお話を伺う中で、「日本の学校に戻ったときにうまく適応できるか」「これまでの経験をどのように活かせるか」といった声を耳にすることがありました。また、日本国内のような部活動の機会が限られている環境も影響してか、「帰国後は部活動にも取り組みたい」「仲間と一つのことに打ち込む経験を大切にしたい」といったお考えを持つ方も多いように感じました。
街を歩いていると、現地のインターナショナルスクールに通う生徒たちが、放課後にカフェで友人と過ごしたり、買い物を楽しんだりしている様子も多く見かけます。治安の良さもあり、そうした時間が自然な日常として根付いているのは、シンガポールならではの特徴の一つかもしれません。日本の学校生活とは異なる部分もありますが、それぞれの環境に異なる良さがあり、どのような学校生活を送りたいかによって感じ方も変わってくるのではないかと思います。

本校では、放課後の時間を生徒自らがデザインできるよう、専攻ゼミの履修や部活動の両面を整えています。仲間とともに取り組む時間と、自らテーマを持って探究する時間、その双方を大切にできる環境でありたいと考えています。
また、進路についても、国内の国公立大学から海外大学まで幅広い選択肢を見据えながら、それぞれの将来像に応じた進路形成を支援しています。その土台となるのが、本校で重視している言語技術教育です。自分の考えを整理し、相手に伝える力は、多様な環境で培われた経験を活かすうえでも、大切な力になるのではないかと感じています。
今回の訪問では、現地学習塾が主催する9月の合同学校説明会へのお声かけをいただくなど、新たなご縁にもつながりました。また、日本人学校でも進学説明会を実施されていることを伺い、次年度以降の参加について前向きにご検討いただけるとのお話もいただきました。
今回の訪問を通じて、シンガポールで学ばれている生徒の皆さんが、多様な文化や価値観の中で日々多くの経験を積まれていることを改めて実感しました。一方で、帰国後の進路選択においては、「どのような環境で高校生活を送りたいのか」「どのような経験を通して成長したいのか」を大切に考えられているご家庭も多いように感じました。
本校としても、現地でいただいた声や気づきを今後の帰国生受け入れや教育環境づくりに活かしながら、日本での新たな学びや挑戦の場を提供できればと考えています。
なお、本校では、夏休みや年末など一時帰国のタイミングに合わせた学校説明会や個別相談を実施しております。また、スケジュールが合わない場合には随時個別対応を行っているほか、海外に滞在されたままでもご参加いただけるよう、オンラインでの学校説明や個別面談にも対応しています。
「まずは少し話を聞いてみたい」という段階でも構いません。帰国後の進路や学校生活について、ご不安やご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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今後も現地で得た気づきや情報をお伝えしてまいります。