篠ミニ5.07 『私は夏休みが好きです』から始まった3年後の今【6貫1期生 言語技術の成果物】
ゴールデンウィークが明けました。
職員室の日計表を眺めてきましたが、
中高生とも特に目立った欠席・遅刻もなく、
皆さんスムースに再集合できたようですね。
ということは、
計画的で充実したGWを送れた証拠ですか?

さて、今日から早速、高1S類と6ヵ年で言語技術の授業が再開しました。
ということで、今回は学藝6ヵ年コース1期生の
前半3年間の成長の足跡を可視化してみます。
言語技術では、日本の国語であまり教えない、
「パラグラフ」という
文章の基本的な ‘型’ を、中1の最初から学びます。
ちなみに、パラグラフとは、

というものです。 (↑ 上図参照)
つまり、「TS(主張)・SS(説明補足)・CS(再主張)という3つの塊で1つの文章を構成する」型で、
このまま即海外でも通用する文章の書き方です。
特に高校以降の英語で、reading & writing ともに paragraph は絶対使います。
さらにその後、
大学以降のアカデミックライティングでも必須です。
ちなみに、普通国語での段落分けは、見やすくするために設けます。
ゆえに、分け方に明確なルールはなく、書き手のさじ加減で改行します。
しかし、パラグラフには「その途中で絶対改行しない」という厳格なルールがあります。
改行するということは、次のパラグラフ(テーマ)に移ったと判断されます。
案の定、最初の頃、
生徒たちはこのルールの徹底に苦労し、TS・SS・CSを改行して、段落に分けたがったのを覚えています。

■中1最初の成果物(パラグラフ)
次の作品は1期生(現高1)の中1開始時のもので、
毎回生徒たちと共有するその回の優秀作品です。
パラグラフは「途中改行しない」ので、スマホだと少し読みにくいかもしれませんが、ご容赦ください。

「私は夏休みが好きです」という題のパラグラフ
中1 Оさん (若干加筆修正済)
私は、夏休みは期間が長く、旅行や勉強がいつも以上にできるので好きです。まず、夏休みには家族と遠くへ旅行に行けます。私は何年か前に家族で伊勢に行きました。その時、とても楽しかったので、今年はみんなで沖縄に行きたいです。次に、勉強については、休みが長いといつもはできない勉強ができます。今までやったことはありませんが、この夏は絵の勉強をたくさんしたいです。このように、夏休みは長い時間かけて旅行や勉強ができるのでとても楽しみです。
【篠】とても幼さを感じさせる文章ですが、パラグラフ形式はしっかり守っています。

■高1最初の成果物(小論文形式)
なぜ、今までこのパラグラフ形式を徹底してきたかというと、
ざっくり言えば、「パラグラフの集合体=小論文」だからです。
パラグラフが書けない者に、小論文が書けるわけないとも言えます。

上に、4パラクラフ・エッセイ(序論、本論×2、結論)を図式化してみました。
パラグラフが、どのようにエッセイ(小論文)に発展するのかイメージしてみてください。
それでは、3年かけて言語技術の力を培ってきた
現高1の1人が最近書いた優秀作品、5パラグラフ・エッセイをご覧ください。

「時間割を説明する」という題の小論文
高1 Cさん (若干加筆修正済)
情報を「横列」と「縦列」の二次元構造で整理し、効率的にまとめたものを表形式という。表にすると、情報が視覚的に捉えやすくなるので、大量の数値や文字情報を把握する際に有効である。上記の形式を利用したもののひとつに時間割がある。この内容を逆に文章化する場合、授業日数、授業時間、日課、教科の4つの項目に分類し、それらを論理的に整理し、並べて提示する必要がある。
まず、時間割全体の枠組みを構成するのが、「横列」に配される授業日数と、「縦列」に置かれる授業時間である。授業日数は、週6日あり、月曜日から土曜日までである。授業時間は、それぞれ50分で、その合間に休み時間が10分間ある。平日の授業時間は6時間で、8時半から15時50分までである。土曜日のみ4時間で、8時半から12時10分までである。この骨格には、日課や各教科などが組み込まれる。
次に、日課は毎日繰り返されるもので、朝礼と朝読書、昼休み、終礼と清掃、部活動、最終下校が含まれる。朝礼と朝読書は15分間あり、8時半から始まり、8時45分に終了する。昼休みは、平日のみ40分間存在し、12時40分から13時20分までである。終礼と清掃は、平日と土曜で時間が異なり、平日は15時15分から、土曜は12時45分から開始する。部活動は終礼と清掃後から最終下校までの間で、それぞれの部活の実施時間の長さで行われる。最終下校時刻も、平日と土曜で異なり、平日は18時、土曜は17時半と決められている。これらの日課は、時間割全体の定位置に平日と土曜とに分けて組み込まれ、基本的に毎日繰り返される。
最後に、平日6時間、土曜4時間の枠を埋めるのが11種類の様々な科目である。主要教科は6教科あり、国語、言語技術、英語、歴史、数学、理科である。さらに、副教科は5教科あり、音楽、美術、技術家庭、道徳、体育である。また、例外にホームルームがある。このように、ホームルーム以外の教科は、複数回、バランスよく時間割の中に配置される。
以上のように、時間割を文章化するには、枠組みとして授業日数と授業時間を提示した上で、その中に挿入された日課と科目とを説明する。表よりも文章での表示の仕方のほうが複雑になるため、文章化の際には情報の論理的配列に深い配慮が不可欠である。
【篠】うーん。よくぞここまで…。苦節3年。あと3年あれば大学入試の小論文なんて楽勝になるね。

■あとがき
最初は「私は~好きです」と、1つの主観的テーマを1パラグラフで綴っていた生徒たちが、
3年後の今、『時間割』という抽象度の高い題材を、
複数のパラグラフを組み合わせて論理的に説明できるようになりました。
こうして2つの成果物を並べてみると、
「文章の上達」はもちろん、
「思考の組み立ての成長」を強く感じ、
我が子の成長のように感慨深いものがあります。