適性テスト(言語技術「再話」)について

本校が大切にしている「言語技術」とは

履正社中学校・高等学校では、「言語技術」を国語・英語・数学・理科・社会に並ぶ「主要六教科」の一つとして位置づけ、「母語である日本語を論理的に扱う技術」を体系的に指導しています。
言語技術の授業では、文章の論理構造を読み解く力、自分の考えを整理する力、論理的に表現する力、相手に伝わる形で発信する力などを積み上げ式のトレーニングにより養います。
本校では、これらの力をあらゆる教科を学ぶ上での土台として、学びをたのしむことにつなげています。

適性テスト(言語技術「再話」)の目的

本校の帰国生入試および一般入試(適性型)では、教科の学力を一律に問うのではなく、「言語技術」を用いた適性テストを実施しています。これは、受験生一人ひとりの学習環境の違いに左右されにくいかたちを採用することで、論理的に物事を分析し、考えて表現する“学びの土台となる力”を評価するためです。具体的には、日本語で朗読される物語を聞いて原稿用紙に再現する「再話」と呼ばれる課題を出題しています。

言語技術「再話」について

言語技術「再話」は、日本語で物語を聴き、その内容を日本語の文章で再現する適性テストです。主に聴解力(内容を正確に把握する力)、情報整理力(要点を構造的に捉える力)、論理構成力(流れを崩さず再構築す力)、表現力(適切な日本語で記述する力)など、あらゆる教科の土台となる「学ぶ力」を評価します。

本適性テストでは、約900~1,200字の物語文(童話)を日本語音声で聴き、その内容を400字詰め原稿用紙に日本語で再現して記述します。音声の長さは約3~4分です。

試験開始前

試験監督より、次の資料を配布します。その後、原稿用紙における「かぎかっこ」の書き方、および「段落シート」の使い方について説明します。

  • 400字詰め原稿用紙(3枚)
  • 段落シート
  • かぎかっこの使い方

●サンプル画像(段落シート)
段落シートには、物語の各段落の最初の一文が記載されています。物語全体の流れを整理するための補助資料であり、2回目の音声再生時には、段落間の余白にメモを書くことができます。なお、このシートは採点時の参考資料となるため、試験終了後に回収します。

●サンプル画像(かぎかっこの使い方)
物語中の会話文は、原稿用紙上でも正しく表現することが大切です。試験前に説明がありますので、しっかり確認してください。

試験の進め方

物語の内容を正しく理解し、全体の流れや登場人物の会話などを適切に捉えたうえで、日本語で再現する力を評価します。「再現」の考え方や、実際の解答例については、「解答例と評価のポイント」で詳しく紹介します。

STEP 1

音声を1回聴く

(約3~4分間の音声を最後まで聴きます。このときはメモを取ることはできません。)

STEP 2

音声をもう一度聴く

(同じ音声をもう一度再生します。このときは、段落シートへメモ書きができます。)

STEP 3

内容を再現する

(音声の再生終了後、約20分間で400字詰め原稿用紙に日本語で記述します。)

適性テストの採点基準(ルーブリック)

この適性テストは、暗記した知識や教科の学習量を競うものではありません。受験生一人ひとりが培ってきた思考力・読解力・表現力などを、あらかじめ定めた採点基準に基づき、総合的かつ公平に評価します。
採点は、試験終了後に回収した原稿用紙および段落シートをもとに、複数の採点担当者が採点基準に沿って行います(100点満点)。

●配点の概要

段落(10点満点)・・・段落数/正確性
段落数を段落シート通りに記述できているかを判断(5段階)
各段落で抑えるべき内容が正確にできているかを判断(5段階)
内容(60点満点)・・・全体的な物語の構造/冒頭部/発端部/山場/クライマックス/結末
全体的な物語の構造について、全体的に論理性があるかを判断(15段階)
冒頭部でキーワードが抑えられているかを判断(5段階)
発端部でキーワードが抑えられているかを判断(5段階)
山場でキーワードが抑えられているかを判断(20段階)
クライマックスでキーワードが抑えられているかを判断(10段階)
結末でキーワードが抑えられているかを判断(5段階)
文法(20点満点)・・・主語/述語/助詞/かぎかっこ/接続詞/時制の統一/文末
主語抜け、適切な主語の有無を判断(3段階)
主述関係を意識した述語を選択できているかを判断(3段階)
「てにをは」を正確に使用できているかを判断(3段階)
かぎかっこの有無と配布した資料通りにかぎかっこが使えているかを判断(2段階)
適切なタイミングで、妥当な接続語が使えているかを判断(3段階)
時制が基本的に統一されているかを判断(3段階)
文末の統一と、体言止めの使用の有無を判断(3段階)
語彙(10点満点)・・・漢字/語彙の豊富さ
漢字は正確性を判断(5段階)
様々な語彙を意識しているかを判断(5段階)

※上記は2026年度入試における評価項目・配点です。2027年度入試では変更となる場合があります。

解答例と評価のポイント

「再話」とは、聴き取った物語の内容を、自分の言葉で物語として再現することです。物語を一語一句そのまま書き写すことを求めるものではありません。登場人物や出来事、物語の流れや結末などを正しく理解し、その内容が変わらない範囲で、自分の言葉で表現してください。
また、「再話」は「要約」とは異なります。物語を短くまとめたり、あらすじだけを書いたりするものではなく、会話や場面の展開も含め、物語全体を再現することが大切です。

物語の原文(イソップ童話「ロバとキツネ」一部抜粋)
 昔のこと、ロバとキツネが友達になって、一緒に狩りに出かけました。二匹がしばらく歩いていると、向こうから強そうなライオンがやってきました。
 ライオンに食べられると考えた悪賢いキツネは、さっとライオンの側に走り寄り、小さな声で頼みました。
「ライオンさん、ライオンさん、どうぞ私を助けて下さい。もし私を助けて下さるのなら、ロバを差し上げましょう。」
ライオンは承知して、
「よし、おまえを見逃してやろう。」
と言いました。キツネは喜んでロバの所へ走って戻ると、ロバが逃げられないように、近くにあった落とし穴にロバを落としました。
模範的な再現例
 昔々、ロバとキツネが友達になり、一緒に狩りに出かけました。二匹が歩いていると、向こうから強そうなライオンがやってきました。
 ライオンに食べられると考えた悪がしこいキツネは、ライオンのそばに走って行って小さな声で、
「ライオンさん、どうか私を助けてください。もし私を助けてくれるならロバをさしだします。」
とお願いしました。するとライオンはその頼みを聞き入れて、
「わかった。おまえを見逃してやろう。」
と答えました。喜んだキツネはロバのところに戻ると、ロバを逃がさないように近くにあった落とし穴に落としました。
「再現」ではなく「要約」になっている例
ロバとキツネが歩いていると向こうからライオンがやってきた。ライオンに食べられると考えた悪がしこいキツネはライオンに近寄り、自分を助けてくれるなら代わりにロバを差し出すと言った。ライオンが承知したので、喜んだキツネはロバの元に戻り、ロバを近くの穴に落として逃げられないようにした。
箇条書きのような書き方になっている、必要な主語も抜けている例
ロバとキツネが歩いていた。ライオンに会った。キツネがライオンに助けてと頼んだ。承知した。ロバを穴に落とした。

サンプル問題(昨年度実施問題)

実際の試験で使用した問題をもとに、「再話」の流れをご確認いただけます。試験当日のイメージづくりや、ご家庭での練習にご活用ください。

2026年度中学受験

●音声データ:イソップ童話「森のロバと村のロバ」(874字)

2026年度高校受験

●音声データ:ドイツの昔話「りっぱな裁判官」(1,009字)

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