インタビュー

在校生インタビュー

河内 恵一朗さん

学藝コースS類 2年生

「勉強するのは当たり前」と前向きになれた。

履正社中学校出身

  • ※インタビュー内容は取材時のものです

入学後にどんな変化がありましたか。

「履正社に入学したら勉強を頑張ろうと心に決めていて、専攻ゼミは週3日、必ず受講するつもりでした。でも、実際に受講してみると、それまで学習習慣が身についていなかった僕には、『勉強を継続する』ことへのハードルが高かったんです。それでも必死に勉強を続けていたら、『勉強するのは当たり前だよね』と前向きに取り組めるようになりました。今では専攻ゼミも意欲的に参加していますし、定期テストだけでなく毎日の早朝テストも、『必ず満点を取る!』という気持ちで取り組んでいます」 

高等学校に進学後は、どんな出会いがありましたか。

「僕は履正社中学校から進学したのですでに友人がいたのですが、高校に進学したら新しい友人をたくさん作りたいと思っていました。だから、同じクラスになった人たちに自分から声をかけて、みんながたのしく過ごせるようにと友人の輪を広げていったんです。せっかく同じクラスになったのだからみんなと仲良くなりたいし、高校3年間という長くて短い時間のなかで、一緒にいい思い出を作っていきたいです。そのためにも、まずは自分が学校生活を思い切り充実させて、みんなを盛り上げていきます!」

まずは勉強をたのしむ。その先に進路が見えてくる。

学校生活にはどんな魅力がありますか。

「年間行事が多くて、クラスの仲間とすぐに仲良くなれるのが履正社の魅力です。特に僕は体育祭に感激しました! 大きなアリーナで行うのですが、観客席で仲間を応援したり、応援されたりして、最高の一日を過ごすことができます。あとは、専攻ゼミの日とクラブの活動曜日が重ならなけば、専攻ゼミと掛け持ちでクラブにも打ち込めるのがうれしいです。クラブはバドミントン部で頑張っています。専攻ゼミで勉強習慣が身についたので塾には行っていません。だから、放課後の活動が終わればすぐに帰れるのもいいですね」

卒業後はどんなビジョンを思い描いていますか?

「早いうちに自分が興味のある分野を見つけて、大学について調べたり、受験に向けて勉強を始めたりしたほうがいいとはわかっているのですが、正直なところまだ夢や目標が見つからなくて……。だからこそ、進路を探究するプログラムには参加するようにしています。履正社に私立大学が何校か学校説明会に来てくださった機会があって、それには参加してみました。担任の先生にはいろいろな相談をしやすいので、自分で考えたり、先生に話を聞いてもらったりして、少しずつ決めていけたらと思っています」

楠田 詩恵里さん

学藝コースS類 1年生

中学時代と大きく変わったこと。

豊中市立第七中学校出身

  • ※インタビュー内容は取材時のものです

履正社高校を入学先に選んだ理由を教えてください。

「高校では勉強と弓道の部活を両方頑張りたかったので、その環境があることが決め手でした。実際、弓道部に入って週に3日間活動していて、残りの3日間は専攻ゼミを履修して英・数・国の勉強に取り組んでいます」

高校に入学後、自分の中で変わったことはありますか。

「元々私は『人に言われなければやらないタイプ』だったんですが、履正社では、勉強にしても何にしてもできる人ばかりなので、『言われなくてもやらないと』『今のままではダメ』と思うようになりました。中学時代は、テスト前だけ勉強していたのですが、履正社高校には早朝テストがあるので、毎日コツコツ勉強するようにもなりました。そのあたりが中学時代と大きく変わったところなのかなと思います」

入学してみてわかった、履正社高校の特徴は?

「専攻ゼミとかクラブとか、放課後の活動がすごく充実していて、文武両道を高いレベルで実践できるところです。あと、私は元々数学が好きなのですが、授業が面白いです。問題を解く時、『こうじゃないか』『ああじゃないか』と先生と一緒に考えて、実際に合っていたらすごく楽しいし、ドキドキします。そういう過程やたのしさを味わわせてくれたり、一見、社会的に正しいと思われているようなことでも、『こういう考え方もあるんだ』と独自の視点に気づかせてくれたり。日々新しい発見があります」

クラスメイトの雰囲気は?

「仲良くなるのが早かったです。入学して3カ月が経った今は休日に一緒に遊びに行くなど、すっかり打ち解けていると思います。部活動でも、社交的な人が多く、周りから話しかけてくれたので、すぐにどんどん話すようになりました」

まだ知らない世界のこと。

高校生活の目標があれば教えてください。

「今のまま勉強も部活動も両立させて、卒業後は大学の法学部に入りたいと思っています。弁護士になりたいからです」

弁護士を目指そうと思ったきっかけは?

「中学時代に、生徒会で活動していた時、ルールを決めたり変えたりするために自分の意見を言ったり、話し合ったりするのがすごく楽しくて。弁護士はそういうことを仕事にできる職業なのかなと思って目指すようになりました」

どんな人生にしたいですか?

「色んなことに挑戦する人生にしたいです。この取材も、お話を聞いた時に『挑戦したい』と思いました。まだ知らない世界のことを、今後もたくさん学んでいきたいです」

倉光 美優愛さん

学藝コース 1年生

「ここに入ってよかった」と思える瞬間。

豊中市立第一中学校出身

  • ※インタビュー内容は取材時のものです

履正社を選んだ理由を教えてください。

「学校で勉強がしっかりしたいと考えて、私立を選びました。その中で、放課後の専攻ゼミと部活動を両立できるシステムが自分に合っていると思ったのが決め手です」

入学してみて、印象は変わりましたか?

「想像していた通りの学校生活で、楽しく過ごせています。毎日早朝テストから始まって、6時間目が終わった放課後は数学の国公立進学ゼミ、英語の英検対策ゼミ、古典のスタンダード進学ゼミを受講しています。ゼミがない日は週に3日弓道部で練習して、とてもメリハリがきいていると自分でも思います」

好きな授業はありますか。

「私はもともと数学が好きなので、やっぱり数学の授業ですね。わかりやすくて楽しいので、自分でももっと頑張ろうと思えます」

クラスの雰囲気はどうですか?

「私は体育委員をしているのですが、大人しい子も、私のように騒がしい子も(笑)、みんな個性的で、仲が良いクラスだと思います。最近は休み時間に友だちと話したり、クラスのみんなで騒いだりするような、何ということもない時間を過ごせていることがすごく貴重だなと感じていて。この雰囲気が私は好きですし、履正社に入ってよかったと思います」

「ああ、私はああいうことが好きなんだ」

将来の進路のビジョンがあれば教えてください。

「中学校の数学の先生になりたいと思っています。以前から、人に教えるということが好きなので。姉が教員資格を持っていることも影響していると思います」

「人に教えた」エピソードを何か紹介してください。

「中学生のころ、友だちと一緒に問題を解いている時に『わからない』と言われて、教えてあげたら友だちがその問題を解けるようになりました。人に教えることで自分の理解も深まるし、人の役に立ったというよろこびもある。『わかりやすい』と言われたら、とても嬉しい。最近、将来の進路を考える中で『ああ、私はああいうことが好きなんだ』とふと思うことがありました」

目標としている人はいますか?

「中学校の時の担任の先生を尊敬しています。若い先生なのに、どんな時も生徒に寄り添ってくれて、トラブルがあってもちゃんと話を聞いてくれる。おかげで気持ちが落ち着いたり、クラスの友だちが救われたりしたことがたくさんありました。私もあの先生のように、生徒から憧れられるような教師になりたい。今はそれが目標です」

福井 桃亜さん

競技コース3年生

競技と勉強、どちらも全力で。

交野市立第二中学校出身

  • ※インタビュー内容は取材時のものです

履正社高校を選んだ理由を教えてください。

「中学校1年生のときに女子野球部の体験会に参加したのですが、専用グラウンドがあったり、トレーナーさんがいらっしゃったりと、野球をするための素晴らしい環境が整っていることに驚きました。そして何より、チームの雰囲気が良く、楽しそうに野球をしていたのが印象に残ったんです。『絶対にここで野球をしたい!』とすぐに学校選びが終わり、勉強へのモチベーションも上がりました」

競技と勉強を両立する学校生活にはすぐになじめましたか?

「今では両立ができていますが、1年生の頃は少し時間がかかりました。放課後は夜まで練習をして、翌朝の登校時間には、予習をしないといけません。このサイクルに慣れるのが大変だったのですが、『野球を、勉強ができない理由にはしないぞ』と思って、競技も勉強も頑張っているうちに、いつの間にか学習習慣が身についていました」

履正社高校で出会った仲間たち。

クラスの雰囲気について教えてください。

「それぞれの競技で頂点を目指しているクラスメイトばかりなので、みんな立ち居振舞いがしっかりしていて良い刺激を受けています。また、競技や性別に関係なく対等に話ができて、お互いが『仲間』のような一体感があります。大きな大会を控えている仲間がいれば、『頑張って!』って声をかけたり、直接応援に行けないときでも、離れた場所から応援の気持ちを送っています」

キャプテンとしてチームをまとめるときに意識していることを教えてください。

「私は、野球に対しても、チームメイトに対しても誠実でありたいと思っています。そして、自分の思いを、自分の言葉で伝えたいです。私たち女子野球部は、野球をする目的を、『チームの絆を深めて最高の瞬間を作り、観客のみなさんに女子野球のおもしろさを伝えること』と決めていて、そのためにキャプテンとして何ができるか、いつも考えています。まずは練習で教えていただいたことを自分の頭でしっかり理解することが大切だと思うのですが、その面で、言語技術の授業で学んだことが活かされています」

今後の学校生活をどのように過ごしたいですか?

「全国大会で優勝することが目標です! 『日本一』という同じ目標を持った仲間と最高の環境で野球ができる経験は、他には代えがたい貴重なことだと思います。素直で、やさしい仲間ばかりなので、一緒に野球できる時間を大切にしたいですね。そして、希望の大学に合格できるよう、これからも勉強を頑張っていこうと思います」

田村 直幸さん

競技コース2年生

一日一日、新しい自分に挑戦したい。

宝塚市立御殿山中学校出身

  • ※インタビュー内容は取材時のものです

他校からも剣道で推薦入学の誘いがあった中、履正社高校を選んだ理由を教えてください。

「剣道と勉強が両立できる学校だったからです。学校によっては、先生に言われた通りのことをずっとやれば良いというところもあると思いますが、履正社は、まずは自分で考えるという自主性を重んじています。今後、生きていくうえで必要な力が身につくと思い、選びました」

自主性が身についたと自分で感じる点は?

「挨拶や礼儀はその一つです。中学時代までは、形だけの挨拶をしていたと思います。でも今は、先生方や保護者の方々に対して自分から気持ちを込めた挨拶をするようになりました。顧問の先生から『応援される学校になろう』と言われていて、そのためにもまず『学校のみんなから応援されるようになろう』と考えています。相手に対してしっかり挨拶から入ることで、自分に余裕が持てるようになったと感じています」

入ってみてわかった履正社高校の強み。

競技コースのクラスメイトの雰囲気を教えてください。

「野球部やサッカー部など、日本一を目指す同級生が身近にいるので、すごく刺激になります。たとえば食事や身体づくりの面でも、プロテインを摂るタイミングや練習メニュー、大事な試合前のメリハリのつけ方など、色々聞いていて勉強になりますし、見習う点がたくさんあります」

入ってみてわかった、履正社高校の良さはありますか?

「早朝テストです。毎朝小テストがあることで、自分の空いた時間を探して勉強に取り組む習慣を作ることができる。これも自主性を身につけるための学校の強みだと思います。レベルもどんどん難しくなってくるので、通学中の電車の中も単語帳を見るチャンスだと思って、時間を大切にするようになりました。こういう毎日の習慣が自信につながります」

高校生活の中で、自分自身に期待していることは?

「今年のインターハイ予選では、自分が最後に負けたことで、先輩方の全国大会への道を断つことになってしまいました。この悔しさを忘れず、自分たちの代では全国大会に必ず出場したいと思っています。これは夢ではなく、必ず実現するんだという気持ちで日々稽古をしています」

どういう人生を送りたいですか?

「一日一日、新しい自分に挑戦して、誰が見ても充実しているなと思われる人生にしたいです。履正社高校で身につけた自主性をベースに、言われてやるのではなく、何事も自分から挑戦して、自分のダメなところがあればそれに向き合い、試行錯誤していく。そうやって成長していきたいと思います」

卒業生インタビュー

常峰 渉太さん

学藝コース 2024年度卒

「そういう人」になれる学校。

2006年、大阪府生まれ。豊中市立第十五中学校を卒業後、履正社高校(学藝コースS 類)に入学。卒業後は大阪大学工学部応用理工学科に進学し、バスケットボールサークルに所属。「今は大学で芸術鑑賞のサークルを立ち上げたい。将来は新型ゲーム機の開発に携わりたいです」

  • ※インタビュー内容は取材時のものです

夏の盛り、母校での取材に自転車を漕いで駆け付けてくれた常峰さん。今年春に履正社高校を卒業し、現在は大阪大学工学部応用理工学科で学んでいる。

もしかして、大学も自転車で行ける距離ですか? と伺うと、「住んでいる実家から、キャンパスまで自転車で20 分ほどです。僕は朝が弱いので、家から近いところがよかった」と大学を選んだ理由の一つを教えてくれた。

大阪大学工学部の応用理工学科は、主に「機械工学」と「マテリアル生産科学」の二つの専攻に分かれる。常峰さんの志望は人気の高い前者で、1年次の成績によって専攻が確定するため、しっかりと単位を取る必要があるという。

「大学の授業は新鮮です。もっと高校までの学びが直接関係しているかと思っていましたが、知識を発展させたり、知識の根拠を問うたりするような内容なので、難しく感じることもあります。ただ、難しい課題にじっくり取り組んで理解を深めていく『姿勢』が求められる点は、高校も大学も変わりません。そのような学問に対する『姿勢』こそ、僕が履正社高校で身につけたことだと思います」

高校時代はバスケットボール部で副主将を務めながら、放課後の専攻ゼミで苦手科目を強化したという常峰さん。

「僕はつい数学や英語ばかり勉強してしまうのですが、古文や漢文にも取り組む時間をゼミで確保したおかげで、共通テストではほぼ満点を取ることができました」

そう語る彼に、「履正社高校の良いところ」を聞いてみた。

「自主性が身につくシステムがあるところでしょうか。他校のようにたくさんの宿題をやらされたり、強制で勉強させられたりするのではなく、自由な時間が確保できるので、その時間を自分が必要なことに使える。自分でやらなければいけないからこそ、自分で計画を立てて、やりたいことに打ち込める。そういう人になれるところだと思います」

毎日、仲の良いクラスメイトたちと机を合わせてご飯を食べた昼休み。しばしば遅くまで残り、“ いつもの席” で勉強した図書館。ウケを狙って笑い合った文化祭。今振り返ると、全ての時間が貴重だったという。

二度とかえってこない高校三年間を自分の力で描ききった常峰さんの顔に、大学生の自信が浮かんでいた。

増井 秀行さん

6ヵ年特進コース 2005年度卒/
現 学藝コース(中高六年一貫)

そのいざという瞬間に。

1988年、大阪府生まれ。2000年に履正社の6ヵ年特進コースに入学し、06年に京都大学医学部に入学。大阪赤十字病院、神戸市立医療センター中央市民病院での研修を経て、外科医の道へ。現在は京大大学院医学研究科消化管外科研究室で大腸がんの研究にあたる。趣味はドライブ

  • ※インタビュー内容は取材時のものです

京都大学医学部を卒業し、外科医、そしてがんの研究者として活躍中の増井先輩。最近、医師の中でも合格率が2~3割という日本内視鏡外科学会の「技術認定医」の審査に合格し、ほっと一息ついたところだという。

「私が主に担当している胃や大腸など、消化器系がんの緊急手術の際には、内視鏡を使った腹腔鏡手術がよく行われます。お腹の小さな穴から入れたカメラを見ながら進めるので、出血量や、身体へのダメージが少ないのが特徴です」

子どもの頃から、山や海や川など自然の中で遊ぶのが大好きで、「手を動かすのが好き」だった増井さん。外科の手術は通常4~5時間、すい臓の手術などは12 時間もぶっ通しで続くというが、全く苦にならないとか。

「手術中は全神経を集中させているので、1~2時間は一瞬で過ぎる感覚です。患者様の負担を考えると、手術は1秒でも早く終えたい。常に最短経路を探しつつ、その時々の状況によって模範解答を出し続けていきます」

外科医と患者との接点は、手術だけではない。

「がんの手術は術後の合併症のリスクもあるので、3~6カ月に1度の定期診察を5年間続けていただきます。術前から含めると、長いつきあいになりますね。中には御礼の手紙を送ってくださる患者様もいて、自分の好きなことで人に感謝されるのは、とても幸せだと感じます」

履正社で過ごした6年間は、「熱血」の印象だという。

「先生たち、全員熱血でした(笑)。カリスマ性があって、単純に教えるのがうまい。生徒を集中させる力がかなり強かったです。勉強と遊び、学校と塾。メリハリのある生活を送らせてもらって、充実していました」

増井さんには、今でも忘れられない言葉がある。

「教室の前の黒板の上にかけてあったのが、『鍛錬千日、勝負一瞬』という言葉でした。外科医は、いつ手術に呼ばれるかわかりません。そのいざという瞬間に力を発揮できるよう、日頃の鍛錬が欠かせない。外科医にとって、かなり響く言葉だと思います」

今後は外科の世界で指導的な立場に就くことが目標、と語った増井先輩。人生は勝負の連続。履正社で培った向上心を胸に、今日も医の道を歩んでいる。

教職員インタビュー

寺西 賢太郎先生

社会科

小さなことも大きなことも、
気軽に相談できる環境を作る。

大阪府生まれ。担当教科は社会科。ゴルフ部顧問(学藝・国際教養コース)。関西大学在学中に教員を目指す。卒業後は大阪市内の学校で7年間勤務。その後、履正社高等学校に入職する

  • ※インタビュー内容は取材時のものです

生徒たちと接するときは、どんなことを意識していますか。

「生徒が学校や教室にいやすい環境を作ることを意識しています。特に1年生の担任を受け持つときは、入学したばかりの生徒たちの様子を丁寧に見守るようにしています。新しい環境になじめていなかったり、勉強に集中できないようなトラブルを抱えたりしているようならそっと声をかけますし、生徒からも私に声をかけやすいように、昼休みはなるべくクラスにいて、他愛もないおしゃべりをするように心がけています。それでも直接相談できないようなことがあれば、履正社が利用しているICTツールを使ってメッセージを送ってもらうこともできます。生徒たちが充実した3年間を過ごすためのサポートは惜しみなくしたいと思っています」

授業ではどんな工夫をしていますか。

「座学だけでなく、グループワークの時間も作っています。ただ、グループワークで良い議論をしようと思ったら、生徒たちはある程度の基礎知識を頭に入れておく必要があります。座学で知識をしっかり学び、その知識を使いながらグループワークをして学びを深めていくという、学習の良い循環を作っていかなければならないのです。そこで私は、自分の授業を毎回すべて撮影して生徒たちに配信し、復習のために活用してもらっています。座学の授業では、一度聞いても理解できないことや、聞き逃してしまうこともあります。それを補うために活用してほしいと思っています」

将来の「なりたい姿」を思い描くために。

進路についてはどんな指導をされていますか。

「進路指導部と連携して、生徒たちが将来のビジョンを思い描けるように後押ししています。例えば本校には、大学の先生をお呼びして講義をしていただいたり、キャンパスツアーで大学を訪れたり、企業等でのインターンシップを経験できたりといった数々の進路探究プログラムがあるのですが、それらのプログラムに参加することで目に見えるような変化を遂げる生徒は数多くいます。高校時代は、きっかけさえあれば大きく花開く時期ですし、何がきっかけとなって進路が決まるかわからない時期なので、いろいろな経験をして進路を見つけていってほしいですね」

平野 直樹先生

保健体育科/
サッカー部顧問・監督

本気で青春を送れる、
それが競技コースの良さ。

三重県生まれ。四日市中央工業高校にて高校総体優勝などを経験し、順天堂大学へ進学。卒業後は松下電器産業(現「ガンバ大阪」)でプレーし、1991年の天皇杯優勝に貢献する。現役引退後は、ガンバ大阪やベガルタ仙台のユースやトップチームのコーチ、監督などを歴任。2003年、履正社高校サッカー部の創部とともに監督に就任。2018年には日本高校サッカー選抜の監督として、国際大会で優勝へと導く

  • ※インタビュー内容は取材時のものです

履正社高校には、各競技の頂点を目指す生徒たちが毎年たくさん入学してきます。競技コースの特徴について教えてください。

「履正社高校の競技コースは、学力と競技力を共に高める文武両道を実現するためのコースです。1学年3クラスあり、異なる競技で日本一を目指す生徒たちが一緒のクラスで学びます。入学当初は、クラス内でも競技ごとにグループができたりして、お互いをライバル視したりする時期もあるんですが、その関係もだんだん変化していきます。入学後に本格的にクラブの活動が始まると、勝ったら笑顔になるし、負けたら涙を流すようになる。その経験はどの生徒もみんな味わうもので、お互いにそういった姿を見せ合っていくうちに仲間意識が生まれていくんですね」

競技コースの生徒たちは各強化クラブに所属しますが、お互いに応援し合っていそうですね。

「そうなんです。2025年に、私が監督を務めるサッカー部が全国高校サッカー選手権大会への出場を決める大阪予選の決勝に出場したときは、野球部の生徒たちが応援に来てくれて、大きな声で全力で応援してくれました。その他の強化クラブの生徒、学藝コースの生徒、保護者の方、関係者の方など、総勢約2500人が応援に来てくれて、感動しましたね。履正社で過ごす月日を重ねるごとに、強化クラブの生徒同士はみるみる仲良くなっていくので、クラブとは別に、クラスという2つ目のチームに所属しているような気持ちになってくれているはずです」

背中を押して、生徒たちを育てたい。

一部の強化クラブ(硬式野球部、女子硬式野球部、サッカー部、ラグビー部、剣道部)の生徒は、言語技術の特別授業を受講しています。そのメリットについて教えてください。

「言語技術の授業を受講することで、生徒たちに一番身につけてほしいのは『自分で考える力』です。競技の世界では、自分で考え、実行し、確認してさらに改善することで技術力が上がっていきます。そのためには、監督やコーチが決めた練習をただ受け身になってやるのではなく、『なぜこの練習が必要なのか』『今の自分は何ができていて、何が足りないのか』を自分の頭で考えながら練習をしなければなりません。そのためにも、言語技術教育を通じて、『読む』『書く』『話す』『聞く』『考える』力を育てていくことは、一流の競技者を目指すためには絶対に必要になると考えています」

最後に、平野先生が生徒たちと接するときに大切にしていることを教えてください。

「『背中を押す』ということを一番大切にしています。生徒たちが自分で目標を決めたのなら、私たち教師は生徒の前に立って『ついてこい』と腕を引っ張るのではなく、後ろに回って背中を押すのが役目だと思うんです。だからこそ、伸び悩んでいたり、本来持っている実力を発揮できていない生徒がいたら、不調を乗り越えるために何をすべきか自分で考えられるように、しっかり寄り添っていくつもりです。競技の枠を超え、競技コースに在籍する生徒一人ひとりが本気で青春を送れるよう、サポートしていくのが私たちの仕事だと思っています」

上原 岳大先生

保健体育科/
サッカー部顧問・コーチ

その先にある本質を考えてほしい。

大阪府生まれ。ガンバ大阪ユースから大阪体育大学に進学し、2002年にシンガポールプレミアリーグのクラブに入団。専門学校の教員等を経て、‘10年に履正社高校に入職。サッカー部の顧問を務める

  • ※インタビュー内容は取材時のものです

教師を目指したきっかけは何ですか?

「体育大学の学生時代、小学生を指導する実習があって、そこで『教えることが楽しいな』という気持ちが芽生えました。ただ、その時はプロのサッカー選手を目指していましたので、引退後の仕事の第一候補として、教師を考えるようになりました」

大学卒業後のご経歴を教えてください。

「実は内定をもらっていた企業が、サッカー部を廃部することとなり内定が取り消されてしまいました。そこで、所属先を探して1年間自主トレをしながら、複数のチームのセレクションを受ける時期がありました。その時に、シンガポールのプレミアリーグで活躍していた大学の先輩から情報をもらい、同リーグのクラブへの入団に迷わず挑戦することに決めました」

海外でのプレーはいかがでしたか。

「当時、シンガポールのサッカーはまだ発展途上で、荒々しさが特徴のリーグでした。そこで1年間センターバックとして全試合に出場し、さあここからという矢先に、所属していたチームが倒産してしまったんです。他のチームに吸収合併され、『外国人枠』でプレーしていた私も契約を途中で打ち切られました」

ヨコにもタテにもつながっている。

今、教師としてどんな指導を心がけていますか。

「良いものは良い、ダメなものはダメ、ときちんと伝えるということです。高校時代、何をするにもサッカーを優先していた私に、そうじゃないんだと厳しく指導してくださった担任の先生の教えが胸に残っています。また、『これをやりなさい』と言われた時に、なぜそれをやらなくてはいけないのか、生徒には、言われたことの先にある本質を考えてほしいと思っています。そこまで考えていける生徒が、やっぱり大きく成長しますから」

履正社の競技コースの強みを教えてください。

「学年やクラブの垣根を越えて、仲が良いところです。同級生、先輩、後輩とヨコにもタテにもつながっている。そういうのっていいですよね。体育祭の運営や卒業式の準備など、競技コース全体で動く機会も割と多いんですが、全国レベルで活躍している良い見本が身近にいて、自分も負けんとこ、という刺激は受けやすいと思います」

やりがいを感じるのはどんな時ですか。

「生徒たちが卒業後に会いに来てくれる時です。進学先や就職先での話、世間話をするなかで、成長した姿が垣間見えた時に、この仕事を選んで本当に良かったと実感します」